ゴンキル小説

□キミ×オレ×カンケイ
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140文字で書くお題ったー 『貴方はごんきるで『距離のつかみ方』をお題にして140文字SSを書いてください。』 をお借りしました。


ゴンとキルア。友達・川岸でじゃれあう・お題に沿ってません(汗)・キルア視点












「わー!広い川だねー!」


街から街へ移動するオレとゴンの前に大きな川が立ちはだかっていた。
向こう岸へ渡る橋か船を捜して見回すオレと違い、木と水が豊かな森で暮らすゴンとしては、川を見たら遊ばずにはいられないらしい。


「おい、ゴン!」


言外に止めるオレの声なんか完全無視で(つーか聞こえてねーな)荷物を放り出すと川岸に下りるゴン。
早速平たい石を探し、ひゅっと腕を横にしならせ水面に向かって低く投げた。

ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん………ぽちゃん。
何度か水を切った石が遠い水面で力をなくす。


「あー!10回!」


楽しそうに言うゴンの回数が少ないんだか多いんだか、やったことないオレにはよく解らない。
ポケットに手を突っ込んで眺めるオレをゴンが振り仰いだ。


「キルアー!」
「はいはい」


言いたい事は聞かなくても解る。
ちょっと遊んでいこうよ、ってことだろ?

仕方ねぇな、と小さく呟いてリュックを下ろすとゴンの隣に下りていく。
ゴンの手元の石は平べったくて楕円のもの。とりあえず似たような石を捜して見よう見真似で放ってみると水面を11回叩いてポチャンと落ちた。


「キルア上手い!」
「まーな」


何となく、初めてやったとは言いたくなくてニヤリと笑えば、次は負けないよ!とゴンが獲物を探して川岸を見渡す。
それから何回かやっていくと、どうやら石の選び方だけでなく投げ方にもコツがあるようで、回を増すごとに跳ねる数が増えていった。

ゴンが20回、オレが18回、とか追い越し追い越されしているうちに気がつけば30分以上経過している。
やっべ、そろそろ次の街に向かわないと道中で暗くなっちまう。野宿なんて慣れっこだけどどうせならベッドで寝たい。


「なぁ、わっ!」


とりあえず石を拾って振り向くとすぐ後ろにゴンがいた。思い掛けない近さに飛び退った先は川の中。


「つ、冷てーっ!」
「あーあ、大丈夫?」
「大丈夫じゃねーよ!つか近い!」


びっくりすんだろ!と講義すれば「そう?」とゴンが首を捻る。
そりゃお前はいいだろうよ。でもオレは最近ゴンのこと変に意識しちまってて、だからこういうのマジで勘弁なんだって。

でもそんな気持ちなんか知らないゴンは「ごめんごめん」と笑ってオレに向かって手を伸ばした。


「……」


キラキラ光る水面に負けないぐらいキラキラしたゴンの笑顔。
それがすっげー眩しくて、照れくさくて、だから差し出された手首を掴んで川の中に引きずり込んだ。


「うわ!!」
「あはは!巻き添えー!」
「あーやったな!」
「ぎゃー!つめてーっ!」


眩しくて照れくさくて嬉しくて、時々ちょっと胸が痛い。その理由に察しはついてる。
でももう少し、こんな風にふざけあっていたいオレは往生際が悪いんだろうな。










-オワリ-









好きだって自覚してるけど、今はまだこのままでいたいんだ。な、キルア。

さらっと140字で書こうとして長くなったのでこちらに更新です。
いきなり川岸にいたりとか、都合よくてすみません^^;
サラサラ書きすぎかな…(汗)



最後までお読み頂きありがとうございます!


2014/3/14 ユキ☆

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