ゴンキル小説

□夜中目覚めても隣に君がいる幸福
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激短。ゴンキル。キルア視点。






「ッ!!」

声にならない声を上げて飛び起きる。
うなされて目を覚ます程の悪夢が何だったのか解らねぇけど、絶対ロクなもんじゃないから全力で記憶に蓋をした。

ゆっくり息を吸って、吐いて。荒くなった息を整えると布団にごろんと横になる。
こんな時『普通』ならば親や兄弟の寝床に潜り込むんだろうけど、そんな経験ガキの頃から一度もない。

だから今日もやり過ごそうと体を丸めたオレの肩に、暖かい手が乗せられた。


「大丈夫?」


掛かった言葉に顔を上げると心配そうなゴンの顔。
そうだ、隣にゴンが寝てたんだっけ。


「ごめん、起こしちゃったな」
「そんなのいいよ。それより着替えた方がいいかも」


言われて初めて気付く。
全身汗だくで、Tシャツが張り付いて気持ち悪ィ。
てかこんなことに気付かない程夢如きに動揺してたって恥ずかしすぎんだろ。

のそのそと着替えてベッドに転がると、じっと見ていたゴンが背中から抱きついてきた。


「お、おい!何すんだよ!」
「嫌な夢見た時は人肌が良いんだよ。くっついてると安心するでしょ?」
「てか暑ィって」
「いいの。オレも安心する」
「何だそりゃ…」


ぴったりと背中に張り付いたまま『離れないよ』と言わんばかりに顔を埋めてくる。
素直だけど頑固なゴンは、一度言い出したらテコでも動かないのはオレが一番知っている。
それにオレの為を思ってしてくれている事だと解るから。

ゴンの腕の中で体を捻ると、暗闇の中で黒い瞳が淡く光った。


「キルア?」
「…背中もいいけどさ」
「うん」
「こっちの方が安心すんだろ?」


お前のためだかんな、と少し目を逸らしたオレの本心なんてゴンは絶対解ってる。
でも「ありがと」と言ってくれるお前に甘えて、額をくっつけたまま目を閉じた。





握った手が暖かくて、出会う前の孤独すら癒えていくような温もりの中眠りに落ちる―――。







-オワリ-






801CPお題(甘イチャ編)やってみたー :恋人「ゴンキルで甘甘な創作するならお題は/@夜中目覚めても隣に君がいる幸福/A嘘みたいな本当の気持ち/B背中越しの体温」

から[@夜中目覚めても隣に君がいる幸福/B背中越しの体温]をお借りしました。


140字にしようと思って長くなったのでこちらに載せました。
元々まとめる気で書き始めたのであっさりした文章ですが、ともすれば重くなりがちなゴンキルはそれでもいいのかなって思ってます。

っていうか、気に入ったお題からサラサラ書いてるのもあって似た展開&ありがちっすね;
もう少し捻りつつ、短時間で書くにはどうしたら良いか…(うーん;)




ご来訪ありがとうございます!

2013/10/9 ユキ☆

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