魔法/死帳
□I love You!
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「好きだよ」
「…迷惑なんですけど」
そんなやりとりを繰り返してどれくらいだろう。
元凶は彼、ジョージ・ウィーズリー。
ホグワーツでもある意味有名な赤毛の双子の片割れである。
「何故、私なんですか?」
「んー、一目惚れ、かな」
自分も一目惚れなんで事は口が裂けたって言えない。
素直になれない、私。
「どうかした?」
その心配そうに聞いてくる顔も笑顔すら愛しい。
「何でもありません」
「何かあったら僕に言ってよ。
あ、残念だけど僕、授業があるから」
笑顔を1つ見せて遠くなる背中。
行かないで、なんて。
溢れ出す気持ちを抑えきれず私はその背中に向かって叫んだ。
「I Love You!」
大広間で何という事をしてしまったのだろう。
後に残るのは後悔?
それとも幸福?
この羞恥プレイはいつもの仕返し、でいいだろう。
彼ははにかみながらもいつもの笑顔で振り返った。
I Love You!
(一目惚れだと告白するのは)
(いつになるだろう)
(彼の笑顔を見て)
(私はそうはにかんだ)