薄桜鬼
□雪
1ページ/1ページ
「あ…雪」
隣に居た僕の恋人はそう呟いた。
空を見ると、ふわふわした白い結晶が空からゆっくり降っている。
「綺麗だね。」
「ああ…」
一君は白い息を手に吹いた。
「寒くない?」
「まあな…でも、寒いのは嫌いじゃない。」
「そう。」
雪の結晶は一君の着物の上に降ると、一君はまだ溶けていない雪を見て微笑んだ。
嗚呼、なんて綺麗なんだろうか。
一君がとても綺麗で、愛おしすぎて、思わず後ろから抱きついてしまった。
「総司?」
一君は少し驚いたけど、嫌では無みたい。
僕は抱き締めながら一君に言った。
「一君。大好き。」
だから、ずっと手放さないから。
この雪が止もうとも、この命が朽ちようとも、
絶対に放してやらないから。
「俺もだ…」
そう言って、頬を赤らめた君だけど、その表情はどこか嬉しそうで…
(雪)
雪は止もうともせず、僕らを包むように降り続いた…
■END■
・