薄桜鬼

□雪
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「あ…雪」

隣に居た僕の恋人はそう呟いた。
空を見ると、ふわふわした白い結晶が空からゆっくり降っている。

「綺麗だね。」

「ああ…」

一君は白い息を手に吹いた。

「寒くない?」

「まあな…でも、寒いのは嫌いじゃない。」

「そう。」

雪の結晶は一君の着物の上に降ると、一君はまだ溶けていない雪を見て微笑んだ。
嗚呼、なんて綺麗なんだろうか。
一君がとても綺麗で、愛おしすぎて、思わず後ろから抱きついてしまった。

「総司?」

一君は少し驚いたけど、嫌では無みたい。
僕は抱き締めながら一君に言った。

「一君。大好き。」

だから、ずっと手放さないから。
この雪が止もうとも、この命が朽ちようとも、
絶対に放してやらないから。

「俺もだ…」

そう言って、頬を赤らめた君だけど、その表情はどこか嬉しそうで…


(雪)

雪は止もうともせず、僕らを包むように降り続いた…

■END■



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