☆は組

□●憧れの先輩
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『 憧れの先輩 』





それはとある一年の教室での会話。



「そういや明日さ、あの6年は組と合同訓練だって!」

「まじで!?うわ〜。」

「6年は組といえば有名人揃いじゃん。」

「みんなすごいよねー。」

「俺、この前福富先輩にめずらしいお菓子もらった!」

「いいなー!福富しんべエ先輩といえば学年一の力持ち。」

「用具委員長だよね?」

「うん、めずらしいお菓子くれるし、めちゃくちゃやさしいんだ!」

「へぁー俺も用具委員になればよかった・・・。」

「でもお前は学校一の剣の使い手でもある皆本金吾先輩の体育委員だろ?

皆本先輩かっこいいからいいじゃん!」

「たしかに普段のあの人はカッコイイし、頼りになる先輩だよ?でも委員会になると・・・・」

「青ざめてるぞ・・・・?」

「だって・・・・だって委員会になると突然ありえないくらいのランニングや筋トレ!

ドッヂボールなんて鉛の玉だよ!!」

「すげー・・・・。」

「おかげでいつも僕はボロボロさ・・・。」

「・・・・・そ、そう!怪我といえばさ、猪名寺先輩だよ!」

「うん、学園一の不運で薬草学に詳しい猪名寺乱太郎先輩だね。」

「あの先輩優しくていい先輩だよー。・・・不運だけど。」

「足がかなり速いのでも有名だよね。・・・・やっぱり不運だけど。」

「不運が抜けないのが猪名寺先輩だよね。」

「猪名寺先輩と福富先輩の話がでたらやっぱり・・・・」

「きり丸先輩!だね。」

「学園一の忍者っていわれてるよね。」

「俺遠くでしかみたことないけどすっげーー綺麗だった!!」

「いいなー図書委員は。」

「綺麗だけどあの人ケチだからなー・・・。でもきり丸先輩のおかげで図書の本が充実したのも事実。昔はすっごい金に反応してたらしいよ。」

「ああ、きり丸先輩戦孤児だからだろう。学費とかアルバイトしてたって。」

「今は忍務とかしたりしてるんだって!まだ忍たまなのに。」

「綺麗といえば笹山先輩もなかなかだよな。」

「・・・あーでもあの人のカラクリどこにしかけてあるかわかんないからなー・・・。」

「カラクリさえなきゃすごくいい先輩だよね。」

「うん。」

「そういったら夢前先輩もそうだよね。」

「うん。カラクリコンビ。夢前先輩は気配を消してたまに脅かしてくるんだ。

ちょっぴりいたずら好きだよ。」

「へぇー。」

「よくうちの委員長も餌食になってる。」

「えーと、加藤先輩だよね。」

「うん、会計委員長の加藤団蔵先輩。」

「馬術がすっげー上手いんだよな!」

「僕馬にのせてもらったことあるよ!」

「この人も委員会になると人がかわるんだ・・・。普段はすごく男前で

気さくな人なのに会計のことになると10キロの算盤で予算が合うまで

計算させられるんだ!徹夜なんていっつもだよ。」

「・・・う〜ん・・・。委員会ってこわい。」

「学級委員会は?黒木庄左ヱ門先輩がいるじゃん。」

「ああ、黒木先輩ね。いい人だよ?勉強も丁寧に教えてくれるし。」

「でもものすごく冷静だよ。」

「僕らがすっごく驚いてることに対してピクリとも驚かずに普通に質問とか

対処してるんだ。」

「そういえば二郭先輩が庄左ヱ門ほど冷静なやつはいない。というか怖いって

いってた!」

「二郭先輩はたしか火薬委員会だったね。」

「二郭伊助先輩はは組のお母さんって呼ばれてるらしいよ。きり丸先輩が笑っていってた。」

「優しいし、よく気がつく人だよ。」

「団蔵先輩と佐武虎若先輩に定期的に部屋掃除させるらしいよ。」

「あー、佐武先輩そんなこと言ってたかも。」

「佐武先輩は火縄銃の名手だよね。かっこいいなー。」

「あの人も優しいよ、生物に対してすごく真剣に世話してるし。」

「あ、そっか生物委員だもんね。夢前先輩もそうだよね。」

「うん。」

「生物っていえば山村喜三太先輩じゃない?」

「あらゆる生物を操るんだよねー。毒蛇とかもかわいいっていってるのきいた。」

「皆本先輩が絶対勝てない相手なんだって、山村先輩は。」

「へぇー、ある意味すごいなぁー。」

「でも一回だけ毒虫にやられて生死の境をさまよったんだって。」

「そのとき手分けして解毒になる薬草は組みんな探しに言ったらしいよ。」

「はぇー、すっごいねー!」

「きり丸先輩も忍務の時に背中をばっさり斬られたんだって。」

「え!」

「でも学園につくまで平気な顔してて、医務室についたとたん倒れたんだって。

今でもその傷跡が背中にあるらしいよ。」

「よく無事だったよねー。」

「猪名寺先輩にきいたんだけどね、先輩がまだ僕らと同じ1年だったときにね、

約束したんだって。」

「約束?」

「最初は福富先輩と猪名寺先輩ときり丸先輩で、絶対みんなで卒業しようねって約束してたんだって。」

「ふむふむ。」

「でもね、ほら5年くらいになるとさ、実践とかよりプロに近い技術を学ぶわけで・・

いつ自分たちが死ぬかわからない状況じゃないか。」

「・・・・。」

「そこでものすごい喧嘩があったんだ。」

「喧嘩?」

「うん。きり丸先輩、このときから軽い忍の仕事に行ってたらしくて、軽いっていっても

やっぱ危険じゃん?そのことを猪名寺先輩とかは組の人らが言ったらしいんだ。」

「あ、それ僕も黒木先輩にきいた。」

「黒木先輩に?」

「うん、懐かしそうに話してくれたよ。」

「で、どんな喧嘩?」

「ああ・・・えーとね、きり丸先輩の身を案じてくれて言ったのにきり丸先輩は

『次の学費までもうちょっとなんだよ。・・・それに』」

「それに?」

「『俺は一人身だし、みんなの知らないとこで死んで誰にも看取られずにいくんだ。

・・・それが早いか遅いかの問題だしな!』って明るく冗談っぽくいったらしいよ。」

「なんか、悲しいね・・・。」

「うん、だからね猪名寺先輩が大激怒してきり丸先輩を殴ったんだって。」

「あの温厚な先輩が・・・・。」

「きり丸先輩もいきなり殴られたことに腹をたてて、そのまま忍務にいってちゃったんだ。」

「猪名寺先輩たちのこんな喧嘩をは組の人たちもみたことがなかったらしくて、

事情を猪名寺先輩やたまたま近くにいた黒木先輩がみんなに話たんだってさ。」

「黒木先輩がね、乱太郎がやってなきゃ私がやってたっていってた。」

「それで、仲直りしたの?」

「・・・話をきいた先輩達はきり丸先輩が帰ってきたらものすごく説教してやる

つもりだったんだって。」

「わぁ・・・。」

「でも、それどころじゃなくなったんだよね。」

「どういうこと?」

「さっききり丸先輩の背中の傷の話がでただろ?あの傷はこのときの仕事のときに

やられたんだ。」

「正門で小松田さんや先生たちがすごくさわいでるのを先輩たちもききつけて正門に

きてみれば、背中を真っ赤にそめたきり丸先輩がいたんだ。」

「でも先輩は笑ってたんだって。」

「先生たちに言われて猪名寺先輩が医務室に連れて行ったんだ。」

「医務室についたとたんに猪名寺先輩に『悪かった』って言ったそうだよ。

でもそう言った瞬間に倒れたんだ。」

「うわ〜・・・・。」

「なんかすごい話だよね。」

「もっと詳しく知りたかったら先輩にきくといいよ。」

「僕達も先輩たちみたいになれるかな・・・?」

「わからないけど、とにかく今は先生の頭を悩ませないようにテストでいい点とることに

がんばったほうがいいかもね!」

「あはは、たしかに!」

「あ!もうこんな時間だよ!!夕飯たべそこねちゃうよ!」

「わー!!みんないこー!」

「おー!」











一年生がいなくなった教室の前。





「きり丸?」

「あ、土井先生。」

「どうした?」

「いやー、懐かしい話を一年生がしてたもんで、つい聞き入っちゃって。」

「・・・もうあんな思いはさせないでくれよ。」

「・・・なんだ、きいてたんすか。」

「ちょっとだけな。」

「・・・・。」

「私もみんなもすごく心配したんだぞ。」

「・・・背中を斬られたとき、もう駄目だなって冷静に思いましたよ。

でも・・・同時にみんなや土井先生の顔を思い出しちゃったんすよねー。」

「・・・。」

「そしたら乱太郎とのことも思い出して・・・ああ、こういうのが嫌だったんだなって心配してくれてたんだなって・・・・。謝らなくちゃって・・・。」

「きり丸・・・。」

「ああ・・・俺死ねないや・・・って。自分をごまかしながら怪我の手当てもせずに

学園に急いだんすけど、医務室に入った途端限界がきちゃったんすよ、確か。」

「ああ、あの後は組全員お前の傍を離れなくて大変だったんだ。」

「・・・いまさらだけど、すいませんでした。」

「ああ、金も大事だが命のがずっと大事なんだ。あれでわかっただろ?」

「はい・・・。喜三太が毒で死にそうになったとき、俺のときもこんな気持ちだったんだなってすごく反省しました。自分の大事な人があんなことになったらものすごく苦しいんですよね・・・。忍者失格かもしれないけど。」

「それでいい。お前がそう思えるようになってくれて私は嬉しい。」

「土井先生・・・・。」

「一年のころからお前たちをみてきた。今年で最後だな・・・。」

「はい・・・。」

「お前は私の息子だ。いつでも家に帰ってきなさい。」

「・・・・そういうことは卒業式にでもいってください・・・。」

「ああ・・・、そうだな。」

「危うく泣きそうだったじゃないですか!」

「ふふ、は組全員が無事に卒業できるように願うよ。」



そういうと先生は職員室に向かった。





「・・・まだまだ死ねないな・・・。」







きり丸はそう苦笑いをすると、食堂へと向かったのだった。















― おわり ―









― コメント ―



初・成長で6は。
いまいち(笑)

一年とかの会話のみ。



憧れの六年生になってくれればいいな、実際はアホ。

喜三太ときり丸はちょっといろいろ設定が・・・。

 

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