☆他
□●抱きしめてよ
1ページ/1ページ
『 抱きしめてよ 』 ★おしげちゃんがまとも口調。成長(きり5年、トモ6年)。
「アンケートの結果でたよー!」
ユキ・トモミ・シゲの三人で話していると、クラスの子が黒板の前に立ち、
校内アンケートの結果を伝えようとしていた。
「なんの?」
「くの一アンケートの今人気の男子の結果!」
「へぇー。」
「それがねー、ほとんど5年生なんだよー。」
5年という言葉に三人はちょっと動揺する。
「いくよー!まず第5位!六年生、川西左近!今や保健委員長な彼。優しいところが人気だって。」
他の女子が騒いでいる中ユキちゃんが呟く。
「優しいだけなら乱太郎だって・・・・。」
「ユキちゃん(笑)」
「でもランキングにはいってても複雑じゃない?」
「まぁね・・・。」
「第4位!5年!黒木庄左ヱ門!・・・冷静すぎるけど、そこがいい!頼りになるだって・・・下級生からの人気が高い模様。」
「へぇー庄左ヱ門ってもてるんだね。」
「でも冷静すぎて私はこわいわ。」
「ですね〜。」
「第3位!おーっと意外!猪名寺乱太郎〜!」
「なっ!!」
「誰にでも優しく、薬学に関しては学年一というところがポイントのようです。
ちなみに圧倒的に下級生人気ですね。」
「ユッユキちゃん・・・。」
「そう・・・あいつけっこうもてるのねー(怒)」
「でも乱太郎くんは鈍いですから、大丈夫ですよ。」
「そ、そうよ!」
「あたしに対しても鈍いなら意味ないわ・・・・。」
ユキが落ち込んでいてもランキング発表は続く。
「第2位!2人いらっしゃいます!5年の加藤団蔵!そして笹山兵太夫!!
なになに?えーと顔がかっこいい!団蔵は男前、兵太夫は綺麗?・・顔か。」
「顔ってそんなに大事ですか?」
「んー、まぁ、見るだけならいいんじゃない?不細工よりはねー。」
「そして栄えある第1位・・・・・おお!!意外といえば意外!しかし、納得もできる!」
「誰、誰?」
クラスの女子の視線が一気に集まる。
「第1位!5年のきり丸〜!!!」
「ト、トモミちゃん・・・。」
「あ、あはは・・・・まさかぁ〜・・・。」
「しっかりするです!」
「えーと、顔はばっちり!だし、昔ほど金にうるさくなくなって性格が丸くなったし、
さりげなく優しい。今では忍術学園一の忍者とまで言われているし、かすかに笑った顔がかっこよすぎる!・・・だって。」
「あーでもわかる。きり丸たしかにかっこよくなったよね。」
「うん、一年の頃はあんなに駄目駄目だったのにねー。」
「下級生から年上まで人気があついわよ。」
「トモミちゃん・・・・。」
「あたし、ちょっと散歩。」
「ええー!?授業は?!」
「・・・・。」
「トモミちゃん・・・。」
「あーあ、私なんて3年生になったときから・・・。」
かっこいいなんてことはとっくにしってる。
忍術がうまくなったのは夜に練習してるから。
頭がよくなったのも図書委員で本をよんでたから。
「3年生くらいから・・・・」
きり丸はちょっとずつ変ってきてた。
「あれー?トモミちゃんじゃん。」
「・・・・!きり丸。」
「一人なんてめずらしいね。」
突然木の上から降りてきたきり丸。
今では背ものびて、体格もかなりがっしりしてきている。
顔つきもかわった。
誰がみても綺麗だ。
「き、きり丸こそ。今は授業中じゃないの?」
「俺はサボり。そういうトモミちゃんもでしょーが。」
「まぁね。たまにはいーかなって。」
「木の上にのぼらない?今すごくいい風が吹いてるんだ。」
「まぁ、他にすることもないしね。」
「うーん、いい風。」
「本当ね・・・。」
「もうトモミちゃんたちも6年か。」
「そういうあんたも5年よね。」
「早いなー・・・。」
「ええ・・・。」
「成長したよなー。」
「たしかにあんた達はしたわよねー。」
「みんながんばったんだ。クラスは違えど、は組の友情は不滅さ。」
「きり丸も変わった。」
「そーだよな、俺が絆を信じれるようになったもんなー。」
「・・・。」
どんどん変っていくのね・・・。
「でも、トモミちゃんたちもかわったよ。」
「そう?」
「ユキちゃんは乱太郎が好きみたいだし?」
「知ってたの?!」
「みてればわかるでしょ。乱太郎は知らないけど。」
「やっぱり。」
「ま、ユキちゃんが積極的になれば大丈夫なんじゃないかな。」
「それが空回りしてるから駄目なんじゃない。」
「時間かかりそうだな、あの二人。」
「ええ・・・。」
「トモミちゃんは?」
「え?」
「・・・俺が好き?」
「なにいって・・・・。」
「・・なーんてね。」
「へ・・・。」
「冗談だよ。」
「・・・。」
「卒業するまでには恋した相手に想いをつたえたほうがいいよ。」
「・・・・・か。」
「あ?」
「馬っ鹿!」
「おわ!」
「もーーー!!」
「なになに!?」
「知らない!」
木から下りるトモミ。
きり丸もあわてて降りる。
「まってよ!」
「なによ!」
「はい、これ。」
きり丸がだしたのは髪飾り。
「なに、これ。」
「この前バイトにいったときに買ったんだ。」
「なんで・・・。」
「トモミちゃんに似合うかなって。」
「・・・そういうのは好きな子に言ってあげなさいよ!」
「だから、あげるよ。」
「は・・。」
「好きだから。」
「!・・・。」
きり丸はトモミの手に無理やり髪飾りを持たせる。
「じゃ、俺いくわ。またねー。」
「ちょ、ちょっと!」
きり丸はトモミに控えめな笑顔を送ると、さっさと行ってしまった。
「・・・・馬鹿。」
きり丸も大概鈍い。
なぜ怒ったかもわからないまま去っていったし。
馬鹿・・・・。
私にも言わせなさいよ。
「好き・・・。」
次はいい逃げなんて許さない
逃がさないから。
お願いよ
私のことをちゃんと抱きしめてね?
そしてちゃんと、
好きって言って。
お願いよ?
― おわり ―
― コメント ―
初のノーマル。きりトモ。
乱ユキもしんシゲ?も好き。
ランキングは別になんとなくで書いてるので・・・。
きり丸はいい逃げしそう。
愛に臆病な感じ(笑)。失うのが怖くてしかたないのかな。
乱太郎とユキちゃんは実は両思いなのになかなか実らないといい。
しんべエたちは相変わらず。
おシゲちゃんはしゃべりかたはさすがに6年になったら普通だろう、と思いあんな感じに。