☆他

□●抱きしめてよ
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『 抱きしめてよ 』 ★おしげちゃんがまとも口調。成長(きり5年、トモ6年)。





「アンケートの結果でたよー!」

ユキ・トモミ・シゲの三人で話していると、クラスの子が黒板の前に立ち、

校内アンケートの結果を伝えようとしていた。

「なんの?」

「くの一アンケートの今人気の男子の結果!」

「へぇー。」



「それがねー、ほとんど5年生なんだよー。」



5年という言葉に三人はちょっと動揺する。



「いくよー!まず第5位!六年生、川西左近!今や保健委員長な彼。優しいところが人気だって。」

他の女子が騒いでいる中ユキちゃんが呟く。

「優しいだけなら乱太郎だって・・・・。」

「ユキちゃん(笑)」

「でもランキングにはいってても複雑じゃない?」

「まぁね・・・。」



「第4位!5年!黒木庄左ヱ門!・・・冷静すぎるけど、そこがいい!頼りになるだって・・・下級生からの人気が高い模様。」



「へぇー庄左ヱ門ってもてるんだね。」

「でも冷静すぎて私はこわいわ。」

「ですね〜。」





「第3位!おーっと意外!猪名寺乱太郎〜!」



「なっ!!」



「誰にでも優しく、薬学に関しては学年一というところがポイントのようです。

ちなみに圧倒的に下級生人気ですね。」



「ユッユキちゃん・・・。」

「そう・・・あいつけっこうもてるのねー(怒)」

「でも乱太郎くんは鈍いですから、大丈夫ですよ。」

「そ、そうよ!」

「あたしに対しても鈍いなら意味ないわ・・・・。」



ユキが落ち込んでいてもランキング発表は続く。



「第2位!2人いらっしゃいます!5年の加藤団蔵!そして笹山兵太夫!!

なになに?えーと顔がかっこいい!団蔵は男前、兵太夫は綺麗?・・顔か。」



「顔ってそんなに大事ですか?」

「んー、まぁ、見るだけならいいんじゃない?不細工よりはねー。」





「そして栄えある第1位・・・・・おお!!意外といえば意外!しかし、納得もできる!」



「誰、誰?」

クラスの女子の視線が一気に集まる。





「第1位!5年のきり丸〜!!!」





「ト、トモミちゃん・・・。」

「あ、あはは・・・・まさかぁ〜・・・。」

「しっかりするです!」





「えーと、顔はばっちり!だし、昔ほど金にうるさくなくなって性格が丸くなったし、

さりげなく優しい。今では忍術学園一の忍者とまで言われているし、かすかに笑った顔がかっこよすぎる!・・・だって。」

「あーでもわかる。きり丸たしかにかっこよくなったよね。」

「うん、一年の頃はあんなに駄目駄目だったのにねー。」

「下級生から年上まで人気があついわよ。」







「トモミちゃん・・・・。」

「あたし、ちょっと散歩。」

「ええー!?授業は?!」

「・・・・。」

「トモミちゃん・・・。」













「あーあ、私なんて3年生になったときから・・・。」





かっこいいなんてことはとっくにしってる。






忍術がうまくなったのは夜に練習してるから。





頭がよくなったのも図書委員で本をよんでたから。






「3年生くらいから・・・・」





きり丸はちょっとずつ変ってきてた。







「あれー?トモミちゃんじゃん。」

「・・・・!きり丸。」

「一人なんてめずらしいね。」

突然木の上から降りてきたきり丸。

今では背ものびて、体格もかなりがっしりしてきている。

顔つきもかわった。

誰がみても綺麗だ。

「き、きり丸こそ。今は授業中じゃないの?」

「俺はサボり。そういうトモミちゃんもでしょーが。」

「まぁね。たまにはいーかなって。」

「木の上にのぼらない?今すごくいい風が吹いてるんだ。」

「まぁ、他にすることもないしね。」









「うーん、いい風。」

「本当ね・・・。」

「もうトモミちゃんたちも6年か。」

「そういうあんたも5年よね。」

「早いなー・・・。」

「ええ・・・。」

「成長したよなー。」

「たしかにあんた達はしたわよねー。」

「みんながんばったんだ。クラスは違えど、は組の友情は不滅さ。」

「きり丸も変わった。」

「そーだよな、俺が絆を信じれるようになったもんなー。」

「・・・。」



どんどん変っていくのね・・・。



「でも、トモミちゃんたちもかわったよ。」

「そう?」

「ユキちゃんは乱太郎が好きみたいだし?」

「知ってたの?!」

「みてればわかるでしょ。乱太郎は知らないけど。」

「やっぱり。」

「ま、ユキちゃんが積極的になれば大丈夫なんじゃないかな。」

「それが空回りしてるから駄目なんじゃない。」

「時間かかりそうだな、あの二人。」

「ええ・・・。」

「トモミちゃんは?」

「え?」

「・・・俺が好き?」

「なにいって・・・・。」

「・・なーんてね。」

「へ・・・。」

「冗談だよ。」

「・・・。」

「卒業するまでには恋した相手に想いをつたえたほうがいいよ。」

「・・・・・か。」

「あ?」

「馬っ鹿!」

「おわ!」

「もーーー!!」

「なになに!?」

「知らない!」

木から下りるトモミ。

きり丸もあわてて降りる。

「まってよ!」

「なによ!」

「はい、これ。」

きり丸がだしたのは髪飾り。

「なに、これ。」

「この前バイトにいったときに買ったんだ。」

「なんで・・・。」

「トモミちゃんに似合うかなって。」

「・・・そういうのは好きな子に言ってあげなさいよ!」

「だから、あげるよ。」

「は・・。」

「好きだから。」

「!・・・。」

きり丸はトモミの手に無理やり髪飾りを持たせる。

「じゃ、俺いくわ。またねー。」

「ちょ、ちょっと!」

きり丸はトモミに控えめな笑顔を送ると、さっさと行ってしまった。



「・・・・馬鹿。」





きり丸も大概鈍い。





なぜ怒ったかもわからないまま去っていったし。





馬鹿・・・・。





私にも言わせなさいよ。







「好き・・・。」







次はいい逃げなんて許さない









逃がさないから。











お願いよ





私のことをちゃんと抱きしめてね?





そしてちゃんと、





好きって言って。







お願いよ?











― おわり ―







― コメント ―





初のノーマル。きりトモ。

乱ユキもしんシゲ?も好き。

ランキングは別になんとなくで書いてるので・・・。

きり丸はいい逃げしそう。

愛に臆病な感じ(笑)。失うのが怖くてしかたないのかな。

乱太郎とユキちゃんは実は両思いなのになかなか実らないといい。

しんべエたちは相変わらず。

おシゲちゃんはしゃべりかたはさすがに6年になったら普通だろう、と思いあんな感じに。

 

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