☆他

□●悪くない
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『 悪くない 』





食満は一人本を読んでいた。

いつも同級生たちのアホなことにつきあわされていたため、こういうおだやかな日は

すごく食満にとって幸せだった。

・・・が、そう長く続くわけもない。

「留!!」

勢いよく入ってきたのは同じクラスでもある善法寺伊作。

不運の頂点にいる男だ。



「なにかあったのか?」

「・・・・や・・・・・。」

「や?」

「やっっったぁぁぁぁぁ!!!!!やったよぉ!!」

「はぁ!?」

いきなりのことに食満は驚きをかくせない。

「なになに?」

「伊作が叫ぶなんてめずらしいな。」

伊作の声で仙蔵と小平太がやってきた。

「留、なにがあったんだ?」

「知らん!」

「いさっくん、どうしたんだよ。」

「きいてくれる!?俺はついにやったんだよ!!」

「だからなにを!」

「俺、小松田さんに・・・・・告白した!!!」

「・・・・・え。」

みんなの時間が止まる。





「まじ!?いさっくんがぁ!??」

「一生しないとおもってたのに・・・・。」

「しかも両想いだったんだ!!もう泣きそう!!」

「おめでとー!!」

「よかったな、お前にも幸運がやってきたということか。」

「うんうん、みんなありがとー!」

伊作はどこからだしたのかトイレットペーパーで涙やらを拭う。

「・・・だからってなんで俺のところにくるんだ。」

「・・・なんとなく?」

「・・・・。」

「いや、留なら真面目に俺の喜びを分かち合ってくれるかなぁって。」

「それならちゃんと話をしてから喜べ!」

「あはは、ごめーん。めちゃくちゃ興奮してたから。」

「許してやれ、留。伊作のうっとおしい恋煩いがやっと実ったのだからな。」

「そーだよ!いさっくん、頑張ってたもんねー。」

「まぁ・・・。」

「なーんか留って話しやすいんだよなー。」

「なんだかんだで厄介事に巻き込まれてるし。」

「私のトレーニングに文句いわず付き合ってくれたし。」

「いい奴なんだよね。留って。」

「・・・・・・。」

「後輩にも慕われてるし、世話好きだし。」

「ああ、多分留って先生とかに向いてるんだよ。」

「あーなるほど!」

「勝手こというな・・・。」

「あー!留、照れてるの?」

「あー!うるさい!」



その後、伊作がどう告白したかなどアホな談笑が続いた。

静かに過ごしたいけど、やっぱりこういうのもいいな、と伊作たちをみて

苦笑しながら密かに食満はそうおもったのだった。









「・・・お幸せに。」











― おわり ―











― こめんと ―



密か?に伊こま。

食満がかきたかっただけの小話さ☆

 

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