☆他

□●素直に
1ページ/1ページ

あの人は素直だ。





「好きだよ。」





恥ずかしげもなくなんでも言う。





「今日もかわいいね。」













『 素直に 』











「タカ丸さん。」

「んん?なんだい?」

「なんでそんなに恥ずかしい言葉をいえるわけ?」

俺がそう問うと、当たり前のようにあなたは言う。

「君が好きだから。」

「いや、だから・・・」

「きり丸に俺を意識させたいから。」

「意識?」

「僕のこと、もっと好きになってほしいから。」

「・・・っ。」

「恋愛は押せ押せ、だよ。」

普段はへらへらしてるのにたまに真面目な顔になる。

この顔は卑怯だ・・・。

「俺はタカ丸さんが・・・・。」

「・・・両思いなのは知ってるよ?」

「じゃあ・・・。」

「ただ、俺の中の想いが消化しきれなくて、愛があふれすぎちゃって、ついポロッと

きり丸をみるたびにでてきちゃうんだ。」

「・・・・・。」

「でも、きり丸が嫌ならがんばってやめるよ。」

「・・・・タカ丸さん。」

「ん?」

「ちょっと屈んで。」

「?」

タカ丸さんの目線が俺と一緒になる。

その瞬間頬にキスをする。

「っ・・きり丸・・・。」

「・・・・俺も・・・・好きです。」

「・・・・あは、めずらしい。」

「・・・・俺も・・・想いがでちゃっただけです!」

「ありがと、めっちゃくちゃ嬉しい。」

タカ丸さんは嬉しそうに俺を抱きしめた。



恥ずかしいけど、いつもあなたが言ってくれてた言葉。



俺がいつも感じてることをタカ丸さんも感じてくれたかな?



いつも恥ずかしいけど、すごく嬉しくて幸せを感じさせてくれる。



「好きっていってくれてありがと。すっごく幸せな気持ちー。

・・・きり丸もいつも感じてくれてる?」

この人は俺を素直にさせてくれる。

「・・・・恥ずかしいけどね。」

子供のようでちゃんと大人なこの人の傍はすごく落ち着くんだ。

髪をすいてくれる手つきも俺を抱きしめてるこのときも

いつもいつも優しくしてくれる人。

「タカ丸さん。」

「なんだい?」

「ありがと、大事にしてくれて。」

「当たり前でしょ?いくらでも甘やかしてあげるし、大事にしてあげる。

でもそのかわり、離さないよ・・・・もう離せない。」

タカ丸さんは額を俺にくっつけてきた。



「好きだよ。」



俺はただ見ほれる。




「好き。」



何度も呟く愛の言葉。



「いくらいっても足りないなぁ。」



その声色が心地よくて・・・



「愛してるよ。」



素直に胸に沁みてくる。



「俺も好き・・・。」

「僕のほうが好きだよ。」

「そーでもないですよ。」

「そーでもあるよぉ!」

「はは、タカ丸さん子供みたい!」

「なんだとー。」

「っん・・・!」

「子供はこんなことする?」

「・・・ですね。・・・・ねぇ、」

「ん?」

「・・・もう一回・・・」

「今日は甘えるね。・・・かわいいよ。」

タカ丸さんは嬉しそうに俺に口づける。

「っ・・・好き、です。」

自然にでてくる言葉。

今日の俺はなんだか変に素直。

そんな俺の額や頬に次々と口付けていくタカ丸さん。

「あんまり素直すぎると、気持ちが暴走しそうだよ。」

最後に指に口付けているタカ丸さんは

いつもと違って妙な色気があった。

「・・・・・。」

「どうしたの?」

「タカ丸さんはそのままでいてくださいね。」

あんまり格好いいと俺もどうにかなりそうだから。

「どういうこと?」

「深く考えなくていいんですよ!」

「ま、いっか!」

タカ丸さんが俺を抱きしめていた手をほどく。

「早く学園長のお使いおわらせよ?終わったらお団子でも食べようね。」

「おごりっすか?」

「あはは、今日はきり丸が好きっていってくれたからご褒美におごりましょう。」

いつもはちゃんと割り勘だけど、今日はタカ丸さんに甘えることにする。

「じゃあ、早くいきましょう!」

俺はすこし足早になる。

「早く終わらせて、きり丸とデートだ!」







好き





大好き





愛してる





あなたに出会えたことでこの感情が芽生え、





それを嬉しいと思えた。





ドジで、人懐っこくて、いつもへらへらしてるけど





たまにみせるカッコイイあなた。





俺だけがしっているその顔。





無意識にやっていることだから心臓に悪い。





そんなあなただから一緒にいて安心するのだろうか。





優しい優しいあなたの傍で俺はあたたかい気持ちをもらった。







・・・ありがとう。







「タカ丸さん。」





「なーにー?」





「・・・・・なんでもない!」





「なんだよー。」







この言葉はまだ言えない。







でも、いつかは・・・・・。















『愛してる』















― おわり ―







― こめんと ―



タカきり。甘くしたかったの・・・。

きりちゃんを素直にしたかったんだーー!!

きりちゃんが3年くらいになったらキス以上のことをしだしてほしい・・・かも。

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ