☆他

□●どうしようもないくらいに
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『 どうしようもないくらいに 』





「おい、斉藤。」

「・・・・。」

「?・・・斉藤タカ丸く〜ん?」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・髪の毛燃やすぞ。」



「わーーー!!!ちょっとぉぉ!!!」

「お前が返事しないからだ。」

「ひどいよぉ!久々知先輩!!」

「委員会の途中だぞ?・・・どうした?」

「いや〜・・・・それがねぇ〜・・・・。」

「豆腐食うと落ち着くかも・・・食堂にいって・・・」

「そんな馬鹿な。久々知先輩おかしいから!!」

「てめぇ、歯ぁくいしばれやぁ!!」

「えーー!!?まった!ちょっとまったぁ!!」

「ならしっかりしろ!!」

「はぁ〜い・・・。」





「久々知先輩〜!」

「どうした〜?」



久々知はタカ丸の頭を軽くたたくと後輩のもとへいってしまった。

「・・・はぁ〜・・・・。だって・・・言えないよ。」



・・・恋してます。なんて










「あ・・・。」



タカ丸が顔を上げると、そこには久々知が。

「先輩・・いつの間に・・・。」

「これでも忍者だからな。」

「忍者ってすげー。」

「・・・・お前も一応忍者だぞ。」

「そっかー。」

「今日の委員会はもう終わりだぞ?聞こえなかったのか?」

「うっそ!?ぜんぜん!!」

「・・・・とにかく終わり。ぼーとすんのはいーけど、心配かけさせるなよ。」

「久々知先輩やっさしーv」

「じゃあ、いくから。」


タカ丸の頭を軽くなでると、久々知はいってしまった。

「・・・・ちぇー・・・かっこ悪。」

タカ丸は冗談がつもりでいった言葉を真面目にかえしてくれた久々知。

「俺、年上なのに、年下みたい・・・。」

タカ丸も腰をあげ、歩き出す。







「あ!」

タカ丸が振り返ると、そこには一年は組の三人組。

「やぁ〜、乱太郎、しんべエ・・・きり丸。」

「こんにちは〜!委員会終わったんですか?」

「うん、でも久々知先輩に怒られちゃった〜。」

「あはは!」

乱太郎、しんべエと話がはずむ中、きり丸は話にあまり参加していなかった。

タカ丸はきり丸にたまに目線をやる。

でも、きり丸の目線のさきはどこか遠く・・・。



その視線があまりに切なそうだから、



だからこんなにも苦しいんだろうか?



ちがうだろ・・・・



その視線の先が僕じゃないからだよ



「タカ丸さん?どうかしました?」

「んー?なんでもないよー。」

タカ丸がにっこり笑うと安心したようだ。

「あ!私達土井先生に呼ばれてたんだった!」

「はやくいこーぜ!」

「うん!」

「タカ丸さん、さよ〜なら〜!」

「バイバーイ!」



三人がいなくなると、タカ丸は歩き出した。







最初は単純。

ただ綺麗な子だなって。



でもそんな彼の過去は自分じゃとても想像できないほど悲惨なんだときいている。



だからたまに淋しそうにしてるんだっておもってた。



でもそうじゃなかったって最近気づいたんだ。



たしかにそういう寂しさもあったとおもう。



でもね、俺が視線をやってるとき、いつもさきにいたのは君の先輩。



やさしくて、下級生に人気の不破雷蔵・・・



その不破先輩の先は久々知先輩。



その久々知先輩の先は鉢屋三郎先輩だ。



一方通行なおもいばかりがそこにあって・・・



とたんに胸が痛むのを感じた。



きり丸の視線のさきの不破雷蔵に怒鳴ってやりたい。

視線に気づけ、と。



でもその反対で、どうか気づかないでともおもってしまう自分がいる。



ねぇ、きり丸。



僕をみて。



僕だったら君の視線に絶対気づくし、そんな切なそうな顔させないよ



恥ずかしがるくらいの愛情をあげる。



なぁ、お願いだから



その瞳に僕を映してよ・・・・。















「好きなんだよ・・・。」

















― end ―









― こめんと ―



えー初のタカきり。

というか、タカ丸→きり丸→雷蔵→久々知→三郎ですね。

本当はくっつくお話だったんですが・・・内容に詰まっちゃって片思いに。

しかも短い。マイナー・・ですよね?タカきり。

タカ丸の一人称って僕?

 

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