☆五年@

□●成敗いたす!
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『 成敗いたす! 』





「・・・あのね、雷蔵。」

「ん?どうかしたの?兵助。」

なんだか落ち込んでいるようにみえる兵助。

「風呂、いかない?」

「うん、いいよ。」

雷蔵が笑って返事をすると、兵助は花がまわりにみえるような

笑顔を雷蔵にみせた。

「・・・っわ・・。」

「雷蔵?」

「あ、い、いや、いこっか。風呂。」

「おう!」

雷蔵たちがいこうとすると三郎がちょうど委員会から帰ってきた。



「風呂にいこうって話してたんだ。三郎もいく?」

「珍しいなー?兵助が一緒なんて。い組の連中でいかないのか?」

三郎がそういうと兵助はまた暗い顔をみせた。

それに気づいた雷蔵は三郎の足を思いっきり踏んでやった。

「いっ・・・!!」

「・・・で?いくの?いかないの?」

「い、いく。」

三郎は痛みをこらえながらそう返す。

「兵助もいいよね?」

「うん!!」

いつもにまして今日の兵助はなんだか無駄に花を撒き散らしているように

雷蔵は思った。

「・・・今日なんか可愛いな。キュン死にするかとおもった。」

「あ、それさっき僕も思った。」

「?なに言ってるんだ??」

「ははは、さー風呂にいこうか!」

「うんうん、はやくいかないと込み合うよねー。」

「??」





三人が風呂場に向かう途中、何度が同級生に話しかけられた。

「よ、久々知。今から風呂か?」

「おう、お前らは?」

「俺らは・・・・ま、まだ宿題残ってるからさ!もう少ししたらいこうかなーって!」

「でも今日は鉢屋と不破が一緒なんだなー・・・・・こりゃまずい。」

「「は?」」

「いやいや、なんでもっ!じゃ、じゃあな!」



「なんか変だな?」

「・・・・。」

「どうしたの兵助?」

「俺、なんか変なのかな・・・・?」

「え?」

「なんでもない・・・いこ?」

兵助は元気のないまま風呂場に向かった。







「ラッキーだれもいないぜ?」

「本当だ、誰もいないねー。」

「う、うん。」

またもや様子がおかしい兵助に雷蔵と三郎は顔を見合わせた。



「なんか変だよ、兵助。なにかあったんじゃないかな?」

「顔にでやすいしな・・・。本人にきいてみっか。」

三郎と雷蔵が兵助に聞きだそうとしたそのとき、

勢いよく戸が開いた。







「兵助!!いるか!?」


「はっちゃん?」

「・・・あれ?なんだ、三郎と雷蔵も一緒だったのか。よかったー!

1人なのかと思って心配したぞー!」

「あ、ごめん。」

「いや、なんもなかったならいいんだって!俺も一緒に入るけどいいだろ?

人数は多いほうがいいしな。」

「う、うん。ありがと、はっちゃん・・・。」

申し訳なさそうにする兵助の頭を竹谷はガシガシかき回す。

一方、雷蔵と三郎はいまいち状況がわからないでいる。

「どういうことなの?」

「説明しろ!」

「あれ?なんも言ってなかったのか?」

「だって勘違いかもしれないし・・・迷惑かもって・・・。」

「勘違い?」

「あー・・・。」

「いいから話せよ。」

三郎がそういうと兵助はちょっと視線を下に落としながら話し出した。

「・・・最近、なんでか俺と誰も風呂に入りたがらないんだ。」

「「は?」」

「誘っても断られるし、それに俺が風呂にいこうとすると絶対風呂場にだれもいないんだ。」

「・・・それだけ?」

雷蔵の問いに首を小さく横に振る兵助。

「・・・で、一人で風呂に入るのはいいんだけど、でも1人で入る度になんか妙な気配がするんだ・・・

殺気でもないから気にしないようにはしてるんだけど。

それに風呂から上がると本当にたまにだけど髪止めとかがなくなったりしてたりするんだ。」

兵助が恥ずかしそうにいう反面、三郎と雷蔵は兵助にはみせられない顔をしていた。

背後には雷が多々落ちている。

「・・・あー、んでさ、最近は俺と入ってたんだけど、たしかに気配はするんだわ。

それに、まじで盗難もあってさ。」

「「・・・・・。」」

「?・・・・三郎?雷蔵?」

「ちょっとまっててね、兵助。」

「え?」

「おい、八。ちょっと・・・。」

竹谷は予想していたらしく苦笑いしながら手招きする三郎と雷蔵のほうへ向かった。





「なぁ、これってもしかして・・・。」

「・・・俺もさ、聞いたんだぜ?なんで一緒に入らないのか。」

「それで?」

「理性が持たないんだと。」

「まぁ、たしかに気持ちわかるけどさ、今まで一緒に入ってたんじゃないのかよ。」

「それがさー、兵助のやつ最近妙に色っぽいらしくて、すごいんだってさ。」

「・・・で、はっちゃんは平気なわけね。」

「確かにきれいだなーって思うけど、兵助は友達だし、普通だよ。」

「手はだせないけど遠くからはみてたいってやつだな。」

「しかも過激なやつは物取りか・・・。」

「話かわるけどさ、兵助のやつがな、い組に嫌われてるのかなとか考えちゃったりしててさ、俺に相談してたわけ。

だから最近一緒に入ってたんだ。

今日、雷蔵とかを誘ったのも俺に気を使ったのかもな。」

「僕らにも相談してくれればいいのに・・・。」

「そーだよなー、なんで八なんだ!お前も俺らにいえよ!」

「いや、兵助が恥ずかしがってたし、あいつも自分が男に覗かれてるなんて

相談できるわけないじゃん。確信ないし。」

「まぁ、そうだけどさー・・・。」

「でもさ、よかったよ。お前らが一緒で。」

「まったくだよ、こっちはわけも分からず胸キュンだったし!」

「あー、あれはやばかったねー。」

「胸キュン?」

「いやいや、まぁ・・・。」

「?・・・でもな、覗きも盗難もさ、兵助のためにもよくないじゃん?

そろそろなんとかしなきゃなーっておもったときにお前らがいた。」

「つまり犯人(多数)を捕まえるのを手伝えってこと?」

「断らないだろ?」

「あったりまえだ!」

「いっそ呪う?」

「「え・・・。」」

「嘘だよ。そんなこと出来るわけないじゃない(笑)

一刻も早く兵助の不安を取り除かなきゃね!」

ニコリと笑う雷蔵になんだか2人は背筋が寒くなった。



「なぁなぁ!早くはいろうぜ!」

「おー。」



四人はそそくさと服を脱ぎ、湯船へと向かった。














「「・・・たしかになんか色気増してる。」」



三郎と雷蔵は湯船から竹谷と兵助の背中の流しあいをみていた。

「何度か一緒に入ってるけど、いや、いつのまに・・・。」

「あれは確かにちょっと鉄壁の理性がいるかもしれないな・・・。雷蔵大丈夫?」

「僕はなんとかね。そういう三郎は?」

「ん、2人きりだったら危なかったな。」

「「・・・・・・・。」」

「・・・・三郎、うかうかしてたら兵助の貞操が危ないよ。」

「兵助に触れた瞬間にそいつを殺す!!」

「・・・・・・・・・・・・もしかしたら三郎のせい・・・かも?」

「なにが?」

「兵助の艶の理由。」

「え、なんで?」

「三郎が兵助と恋人になったのってちょっと前だろ。」

「おー、雷蔵という最強のライバルやいろんな敵と戦ってやっと手に入れたんだぞ。」

「あはは(死ね(笑))」

「(怖っ!)」

「兵助と桃色体験したの、つい最近だったよね。」

「桃色体験って・・・。まぁ、たしかに。」

「だからだよ。情事のあとって妙に色気がでたりするもんらしいよ。

雰囲気が変わるって。」

「・・・雷蔵はそう思う?」

「そうだね、そう思ったこともあったし、でも三郎が報告(怒)してくるから事情はわかってたから気にしてなかった。

まさか風呂でこんなにかわるなんてね・・・。水気がエロいのかな?」

「あ、はは。」

「まぁ、とにかく今は覗き野郎を捕まえなきゃ。」

「だな、俺の兵助の体をどこぞのわけのわからん輩に見せてたまるか!!」

「風呂にだれもいないってことは、それを伝えてる伝令やリーダーがいるのかもね。」

「兵助は明日委員会があるっていってたからその間に作戦会議を・・・。」

「うん、・・三郎。」

「なんだ?」

「ボッコボコにしてやろうね☆」

それはたいそう輝いた笑顔だったと三郎はのちに語る。











風呂から上がると、それぞれの部屋へと戻って入った。



「兵助。」

「?三郎?どうしたんだ?」

兵助が三郎を部屋へといれ、戸をしめると、

三郎に抱きしめられた。

「なんで私にいわなかったんだ?」

「だって・・・。」

「私は兵助の恋人だろ?」

「三郎や雷蔵にも話そうとおもったけど、勘違いだったら恥ずかしいし、

それに・・・・。」

「それに?」

「雷蔵はともかく、三郎と二人っきりで風呂にはいるの・・・なんかやだ。」

「な、なんで!?」

「な、なんか恥ずかしいし・・・。」

兵助の顔は真っ赤になっている。

「兵助・・・。」

風呂あがりの兵助の髪からのいい匂いが三郎の理性を揺るがす。

匂いに誘われるかのように三郎は兵助の首もとに唇をおとす。

「さ、三郎・・・!」

「んー、兵助の匂い〜。」

「ちょっ・・・だめだって!」

そういいながら見上げてくる兵助に三郎の胸は高鳴るばかり。

「・・・・こりゃ艶ですぎ・・・。」

「は?」

「なんでもない。」

「っん・・・あ・・ぁふん・・・っぁ・・・。」

がっつくような口付けをする三郎。

「・・・な、しよ?」

「・・・んぅ・・っ。」

言葉を言う前にまた口付けをする。

口付けをしながら三郎はどんどん服を脱がしていく。

抵抗しようにも力が入らない。

「さ・・ぶろ・・・。」

「・・・・・兵助・・・・。」

すでに上半身ははがされ、あらわになった身体。

三郎は帯に手を掛け、そのまま行為はどんどん進んでいった。







夜中、事を終えた三郎は兵助の寝顔をみながらつぶやいた。

「な、兵助。今度からは私に相談しろよ・・・。」



「頼れる男・三郎くんっての目指してますから。兵助限定で。」

三郎は兵助に軽いキスをおくると、そのまま部屋を後にした。









「・・・・ちゃんと頼ってるよ、三郎。」







足音がきこえなくなったあと、

兵助が嬉しそうに呟いていたことを三郎は知らない。









その後、兵助のお風呂事件は雷蔵たちの働きによって兵助の知らぬ間に

解決した。

その後、同級生たちは兵助と風呂に入ろうとするが、

今は三郎が断固として許さなかった。

そして最終的にはいつもの4人で入っている兵助たち。

雷蔵はあきれながらも、兵助が嬉しそうなので

結局は許し、こころの奥底で安心していた。



「もう大丈夫だからね、兵助。」

「??よくわかんないけど、ありがとな!」

「これで平和になったな!」









兵助はしらない。

犯人達は今医務室で寝込んでいることに。


「うわーー!!くる!あいつがくるよーー!!」

「もう勘弁してくだせぇぇ!!」

「俺がわるかったぁ!ひぃぃっ!!」





外傷もひどいものだったが、

それを感じさせないくらい魘されていた。

竹谷が一度様子をみにいってみたが凄まじいものだった。



それでも彼はただ一言笑って言った。









「自業自得だな!」









− おわり −









― こめんと ―



はい、逃げよう。

乙女兵助!5年の姫、兵助!

兵助に夢をみてるアホですんません、ほんまに。

一応鉢くくで。

うちの雷蔵だんだん黒くなっていくよ。

でも基本は灰色の白よりでいきたい。
けど、敵には容赦ないといいね。腹黒って感じじゃないなー。

 

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