☆五年A

□●僕らの放課後
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え?今から見学ですか?

まぁ、 今はもう放課後なのですこしの間でいいのであれば

どうぞ、見ていってください。



私は久々知兵助といいます。

今うさぎを捕まえたとこなんです。

え?なぜかって・・・・・・















『 僕らの放課後 』

















「兵助!」

俺の後ろから声をかけてきたのは親友である竹谷八左ヱ門。

いつも元気に虫取りに励むぼさぼさ頭のいいやつだ。

「ぼさぼさ言うな。」

「で、どうした?」

「いやいや、どうしたじゃなくてその腕の中のうさぎ!」

「ああ、そうだった。」

生物委員会のだと思って持っていってやろうとしたんだった。

「よかったー、それ最後の一匹だったんだ!」

「そうか。でもうさぎってふかふかしてていいなー・・・。」

もこもこが気持ちいい。

なんだか手放すのが惜しくてうさぎを軽く抱きしめるとうさぎの耳が頬にあたって

くすぐったい。

「ふ・・・・あはは、くすぐったい!可愛いなー。」

「おー・・・・。」

「?・・・はっちゃん、どうした?」

「や、はは・・・可愛いなぁって・・・・。」

「そうだろ・・・・・・って・・・・・・ええええ!!?」

「どうし・・・・・・・はああ!?」

竹谷と兵助は後ろを振り返り絶句するしかなかった。

どう考えても気持ち悪いものがこちらに向かって走ってくるではないか。

うさぎの顔した制服からみて五年の多分男が走ってくる。

「ななな、なんか気持ち悪いのがくるんですけど!?リアルだよ!!うさぎが!!」

「どー考えても三郎だよね!?三郎なのはわかるけど近づかないでほしい!!!」

「こっちくるぞぉ!!?」

「キモッ!!」

「どーしよぉ!!?」



「へいすけぇええええ!!!!」



「ぎゃぁああ!!俺呼ばれてる!!!?」

「目的が兵助なら、後は任せたぜ!!」

「まてぇええ!!置いていくなぁあーー!!」

「は、離せ!俺を巻き込むな!」

「とかいってる間にもうそこまできてる!!」

「だ・・・誰かーーー!!」



三郎がものすごい勢いで走ってくる。

もう2人は怯えるしかなかった・・・・。





「よばれて飛び出てスライディングッ!!!!」



ズドォオオンッ!!



「みゃーーーー!!!!」





それは一瞬の出来事だったけど、兵助と竹谷にはスローモーションのように

ゆっくり、そして輝いたワンシーンに思えた。



誰かがものすごい勢いの三郎に突然のスライディングをかまし、

三郎はその予期せぬ出来事に対応もできず、ただ勢いよく転ぶしかなかった・・・・。

そしてその犯人は振り返り・・・・・

「大丈夫だった?」

その振り返り様はなぜかキラキラ輝いて、2人の胸に深く刻まれた。



まさにヒーロー・・・!!



「「ら・・・・らいぞぉおおおーーー!!!」」

「まったく・・・僕が運良く通りかかったからいいものの、なにしてるんだい。」

「も、俺らもなんなんだか・・・・。」

「いきなりうさぎ男が・・・・。」

「うさぎ?・・・顔はよくみてなかったから・・・。」

「多分三郎なんだけど・・・・。」

「そうなの?」

雷蔵は茂みの中に頭を突っ込んでいる三郎の元へいく。

「もう・・・三郎、なにしてる・・・の?」

三郎が頭を抜き出すと、雷蔵は微妙な表情をした。

「気持ち悪い!!」



ズボッ!!



「ゴフッ!」

雷蔵は三郎の頭をつかみ、再度茂みに押し込む。

「三郎気持ち悪いよ!!もう二度と顔みせないで!」

「ひ・・・ひどい・・・っ!!」

兵助と竹谷もゆっくり三郎に近づく。

「もう・・お前なんなんだよ・・・きもちわるすぎて怖いよ・・・。」

「どん引きだぜ・・・。」

「その顔変えない限り僕は何度でも押し戻すよ。」

「う・・・わかった・・・。」

三郎はそういうと茂みの中でわたわた動き、ゆっくり頭を抜いていく。

それはいつもの不破雷蔵の姿だった。

「なんでうさぎだったんだよ、しかも妙にリアルな。」

三郎はじっと兵助をみつめる。

「なんだ?」

「うさぎになりたくて・・・・。」

「無理だろ。」

「わかってない!わかってないのよ、兵助さんは!!」

「あ?はっちゃんわかるか?」

「あー・・・・まぁ・・・なんとなくは。」

「あ、そうだ、はい。うさぎ。」

兵助はうさぎを竹谷に渡す。

「お、サンキュー。これで全部そろった。」

「ああ、生物委員会?」

「おう。」

「ああ、それで三郎・・・・。よっぽどうらやましいことがあったんだね?」

「?」

「三郎、うさぎは無理だよ。二度としないでよ?」

「へーい。」



あ、紹介が遅れましたが、この2人、決して双子ではありませんよ。

片方・・・さっきのうさぎ男は変装の名人と呼ばれている鉢屋三郎という男で・・・

普段はこんなのですが、頼りになるやつです。



「ちょっと兵助、「俺の恋人です」っていう紹介が抜けてるぞ。」

「こ、恋人じゃないだろ!!」

「こらこら三郎、嘘はいけないよ。」

そしてこの三郎と同じ顔の彼。

彼が本物なんです。三郎はこの不破雷蔵の顔を借りていて

優しくて後輩からも慕われてるいい奴なんです。

「ありがと。」

「ほんとのことだからね。」

「あ、俺そろそろ委員会もどらなきゃ。うさぎもいるし。」

「俺もいかないと。」

実は今日は火薬委員会があるんです。

「なら、僕らもいくよ、三郎。君は先生に呼ばれてるだろ?」

「あ、そーいえば。」

「全く・・・。」

「じゃ、またあとでなー!」

「おー。」

竹谷はそういうとうさぎを抱えて走っていった。

「ほら、いくよー。」

「はいはい、いきますいきます!だから手を離して!手首折れる!!!」

「いっそ折ってやりたいよ。」

「ら・・・らいぞぉお〜・・・・。」

三郎がビクビクする様を雷蔵はニヤリと笑うと、つかんでいた腕を離した。

「兵助、またあとでねー?三郎、ちゃんと先生のとこいくんだよ?」

「必ず!!」

雷蔵はそういうと満足そうな表情をして、さきにいってしまった。

「・・・お前馬鹿ばっかしてるといつか雷蔵に殺されるぞ?」

「私もそうおもう。」

「はぁ・・・。」

「なぁ、兵助。」

「ん?」

「今度はもっとかわいいうさぎにするから。」

「なんでうさぎなんだよ。普通の顔で来いよ・・・。」

「まぁ、そのままやってもいいんだけど、兵助が恥ずかしい思いすると思って。」

「は?」

「うらやましかったんだ。うさぎが。」

「なんかしたっけ?」

「ほら、うさぎとじゃれてただろ?頬にふわふわーって。」

「頬に・・・ふわふわー・・・?」

もしかして・・・・・・・・

「・・・・っ!?」

「兵助?」



ゴンッ!



「うがっ!?」

「ば・・・馬っ鹿野郎!!うさぎだろうがなんだろうが恥ずかしいだろうがーー!!」

「いたた・・・・お、おい!・・・・・・いっちゃった・・・・。」

三郎は頭突きされた顎を撫でながら唖然と兵助を見送った。

「・・・・でも・・・あいつ、嫌とはいわなかった・・・・・な。」

そう思うとニヤケル顔を止められはしなかった。

期待・・・してもいい?



















こんにちは、久々知です・・・・。

すいません、急に走り出してしまって。

アホな日常しかお見せできてないのが残念ですが、

今度は授業風景でも見ていってください。

え?三郎ですか?き、気にしないでください!!



お、俺も委員会があるので、この辺で!

またお会いしましょう!



ほんとに三郎とはなんでもないんですからね!!







では!



















― おわり ―









― コメント ―



久々知の日ということで・・・。短いですね。

いきおいだけのお話ですのでもうなに書いてんだ自分状態なわけで・・・。

ギャグかきたかったり鉢くくやりたかったり竹くく風味だったり不破様だったり

なんでもやりたかったわけで・・・。

素直に三郎気持ち悪いですけどね!!


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