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『 鉢恋 』−雷蔵と三郎−












「三郎ー。」

「んー?」

「僕なりに三郎への誕生日プレゼントを考えてみたんだけどね?」

「うん?」

「二つしか思いつかなかったんだ。」

「二つも思いついたのか。雷蔵にしてはすごいじゃんか。」

「てなわけで、はい。」

雷蔵が渡してきたのは一冊の小さなアルバム。

「写真かなんか?」

「うん。」

「こ・・・・これは・・・・!!」

アルバムを開くとそこには兵助の写真がびっしり。

「僕のオススメはこれかなー。ほら婦人警官。」

「これは体育祭の・・・・!!あのMyミニスカポリスじゃないですか!!」

「あらゆる手をつかって入手したんだよー。」

「うんうん、ありがと雷蔵!」

「日常からなにまで揃えるの大変だったんだからねー。」

「だれがこんな写真とってんだ?あきらかに雷蔵じゃ無理なアングルとかあるけど。」

「もちろん写真部だよ。」

「ああ、やっぱしね。」

「兵助人気あるから手に入れるの大変で大変で。でも話し合いでなんとか手に入れられたよ。」

「は、話し合い?」

「うん、話し合い。」

「脅しじゃなくて?」

「まさか。」

「だ、だよねー。」

「平和的にね。」

「・・・・・で、でも写真部が撮ってるのってやっぱ買うやつらがいるってことで・・・。」

「うん。」

「ちょっと気に入らないなー。」

「ふーん?」

「・・・・・雷蔵、ニヤニヤしないでくれ。」

「べっつにー?」

「・・・・・。」

「ごめんごめん。兵助のこと愛してるんだもんね?彼女の写真が自分以外のやつらが

もってるの嫌だよね。」

「・・・・・やだ。」

「うんうん。」

雷蔵は三郎の頭をグリグリ撫で回す。

「らぶらぶで大変結構。」

「・・・・らぶらぶ、にみえる?」

「うん。」

「・・・・・やった。」

「・・・・。」

「雷蔵?」

「や、かわいいカップルだなって思ってさ。」

「はぁ?」

「気にしない気にしない!さ、アルバムをじっくり堪能してよ!」

「おう?・・・あ、そういえばプレゼント二つなやんだっていったけどもう一つはなんだったんだ?」

「そりゃあ・・・・」

「?」

「定番の兵助にリボンつけて・・・・。」

「!!?」

「あ、こっちのがよかった?」

「いーやいやいや!それはそれでめちゃくちゃいいけど!鼻血の洪水になりそうだからアルバムで正解だったと思う、うん!!」

「そう?ならよかった。」

「・・・雷蔵の誕生日にはそんな感じの八でいいか?」

「うん。」





〜〜♪





「あ、もしもし?」



「・・・ああ、うん。いまいくわ。・・・え?・・・・わ、わかった。じゃ・・・。」



ピッ。



「誰?兵助?」

「なんでわかったの?」

「顔がゆるゆる。」

「うっそ。」

「ほんと。」

「・・・・。」

「で、お出かけかい?」

「ちょっとだけ。プレゼントくれるんだって。」

「ひゅー。」

「じゃ、いってくる。」

「うん、楽しんでおいでー。」

「はーい。」

「いってらっしゃーい。」



雷蔵がそういうと、三郎はいそいで部屋をでていった。



「らぶらぶだねー。」



そんな三郎をみて雷蔵は嬉しそうにつぶやくと、自分の携帯をとりだし、メールをうつ。





「さーて、僕もらぶらぶしよっと。」





メールの相手はもちろん・・・・・・・











今日もみんな幸せです。

青春でらぶらぶなんです。



最高だね。







― おわり ―

































『 鉢恋その後 』−兵助と竹谷−







「よ、兵助。」

「あ、はっちゃん、偶然だね。」

「ちょっとコンビニに用があってな。兵助はどっかいくのか?」

竹谷はすこし大きな袋をもった兵助を見る。

「あ・・・・うん。」

恥ずかしそうにそういう兵助にぴんとくる。

「あー、三郎だろ?あいつ誕生日だったよな!」

「ま、まぁ・・・。」

「で、それがプレゼントってわけか。愛されてるなー三郎。」

「からかってるだろ、はっちゃん・・・。」

「いやいや本音本音。らぶらぶだよな。」

「・・・・・そう、かな?」

「おう!」

「・・・・・へへ。」

「・・・・・。」

竹谷は兵助の頭を軽くなでる。

「?」

「かわいいなーって。」

「う・・・。」

「これでプレゼントが自分にリボンでもつける、なんてことになったら俺は三郎を殴ってでも阻止するところだ。」

「そんなことしないよ・・・。」

「雷蔵に催促されても断れよ?」

「大丈夫だって;」

「そんなことになったらきっと大惨事になるけどな。三郎が。」

「?」

「いやいやなんでも。」

「実はそこの公園前で待ち合わせなんだ。」

「へー。・・・・・・・な、兵助。」

「なに?」

「今、もちろん幸せだよな?」

「うん、すごく。」

「ならOK!」

「ありがと、はっちゃん。」

兵助がそういうと竹谷はにっと明るく笑う。

そして兵助も嬉しそうににっこり笑った。

「じゃ、楽しんでこいよ。」

「うん。」

「また明日な。」

「おう、また明日―!」

そういういうとお互い背を向け歩き出した。







・・・・







「あ、三郎?もう公園ついたよ?・・・・・・早く、きてね?」



















〜〜♪

「メール?・・・あ、雷蔵からだ。」







『      』







「はは、・・・・・・・・俺らもらぶらぶ、ってやつか。」
















どきどきな毎日をずっと。





ずっとずっと生きていこう。





いつも幸せを感じています。





贅沢だね?












― おわり ―






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