square relations

□square relations 9
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無性に声が聞きたくなっても、今まで一度たりともその番号に電話を掛けたことはない。

だけど、今日は。

震える指先を叱咤し、通話ボタンを押した。
数回の呼び出し音の後、電波に乗って声が耳に飛び込んでくる。


「俺だけど」

『おー、隼人か。隼人から電話なんて珍しいな』

どうした?と何喰わぬ声色で尋ねてくる電波の向こうにいる人物。
てっきり、雲雀に振られて落ち込んでいるのかと踏んでいたのだけれど。

その声色から、何やらそれほどまで落ち込んではなさそうだ。
もしかして空元気かもしれないが、それでも元気そうな様子に安堵した。


『もしかして、心配してくれたのか?』

「なっ、そんなんじゃねぇよ」

『はは、サンキュ。だけどさ、』

思わず声が上擦った。
そして、続く跳ね馬の言葉に更に声は上擦ってしまう。


『OK貰ったんだ』



「は…?」






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のぞんだ指先 







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