square relations

□square relations 8
1ページ/4ページ



『今日辺り恭弥に言おうと思うんだ』
「…へぇ。それでわざわざ電話してきたってわけか」
『隼人には相談に乗ってもらったからさ。先に隼人に報告しとこうと思って』
「ンなもん要らねぇし」
『はは、まぁそう言ってくれるなよ。じゃあまたな、隼人』

終話ボタンを押すと同時に乱暴に携帯を放った。

自然と細まる眼は降り注ぐ太陽の光のせいか、それとも俺の心情のせいなのか。
どちらにせよ、ざわめく胸は確かなもので精神安定剤とも呼べる煙草を取り出しては紫煙を吸い込んだ。

燻ゆる紫煙がゆらゆらと青空へと昇っていく様を、ただ見上げながら強くフィルターを噛み締める。
授業を放棄し太陽の下、屋上での一服は普段だったら格別なものだけれども。


─今の俺には最高の条件での一服は、精神安定剤にもならないようだ。






square relations 8 

紡がれた感情 







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ