club vongole
□club vongole 12
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リボーンさんによって出された提案。
それはclub valiareの売り上げがなぜ高いかという謎を暴きに行くというものだった。
「暴くっつてもどうやって暴くんスか?」
唐突な提案に思考はついていけないし第一暴くといってもどうやって暴くのだろうかという疑問を放つと、リボーンさんは何か索があるのか不敵な笑みを浮かべる。
「偵察だ」
直接目で見れば分かることだからな、と付け加えるリボーンさんにまた新たに過る疑問。
「偵察…?」
「だからと言ってあいつらみてぇなのは偵察とは言わねぇ」
先程、偵察と称して訪れたベルとスクアーロを否定するリボーンさんの言葉は正しいだろう。
あんなもの、ただ単に嫌味を言いに来たものだ。
理解に至ると同時にリボーンさんは呼吸を置かずに言葉を続ける。
「姿をバレずに偵察しなきゃ意味ねぇんだ」
確かに正体が明らかになってしまったら嫌味しか言わないだろう。
それでは到底偵察など無理な話で、先程の二人を思い浮かべるとそんなことは目に見える。
つまり、偵察するには正体を明らかにしないで行かなければ意味を為さない。
でもそれでは、どうやって偵察に行けばいいのだろうか。
そう思ったのは俺だけではないらしく、今まで沈黙を守っていた沢田さんの口が開いた。
「でもリボーン、それじゃどうやって偵察しに行けばいいんだよ」
「お前は少し頭を使え」
沢田さんの疑問を聞くなりどこから出したのか大きなハンマーで鈍い音を立て、制裁を下すリボーンさん。
いでっ、という叫びと共に頭を抱える沢田さんに心配が過り安否を確認しようとしゃがみ込むが、それはリボーンさんの言葉によって妨げられる羽目となる。
「日時は明日。人数は三人ぐらいでいいだろ」
明日というのは、いくら何でも急すぎるのではないだろうか。
状況を把握する猶予も与えられず、リボーンさんはどこか愉そうな表情を浮かべ続ける。
「出勤する代わりにしっかり偵察して来いよ。これも仕事の一貫だからな」
「待てリボーン、偵察には誰が行けばいいんだ?」
トントン拍子に進んでいく話の展開にディーノが口を挟んだ。
確かにディーノが言うように明日偵察に行くことが決まったとしても、まだ誰が行くかとは決まっていない。
すると、リボーンさんは口元の笑みを更に濃くして。
「それはテメェらで決めろ。ディーノ、お前が指揮を取れ」
「俺?!」
「お前はマネージャーだからな。トラブらねぇようにちゃんと決めろよ」
リボーンさんの唐突な命令に、驚愕が隠せないといったように目を丸くさせるディーノ。
それでも命令には逆らう素振りは見せず、金色の髪を一つ掻いては了解と呟いた。
渋々命令に従ったようにも見えるが、なぜかディーノは少し愉しそうに口元に笑みを宿していて。
了解を得ると役目は果たしたと言わんばかりにディーノに任を預けたあと、店内を後にするリボーンさん。
リボーンさんの提案により、こうして敵陣もといclub valiareへの偵察部隊を決めることになった。
急すぎる展開に、ついていけない俺の心中を悉く無視するように。
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