glitter dark grey

□glitter dark grey 3
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glitter dark grey 3 

blight orange sky 2 

SIDE 雲雀 







「何か意見ある人いる?」

「いえ!異存はありません」


週に一度応接室でごく少数の一部で行われる朝の会議がある。
今日はその日だ。


「…そう。じゃあ会議は終わり、解散」

会議が終わり資料を片付けて解散という僕の声に合わせて、皆一斉に椅子を引く。

「お疲れ様です!」

「また後で会いましょう」

数々と違う言葉を残し一礼して応接室を立ち去って行く風紀委員の声を聞きながら彼らに視線を向けることはなく、ただ耳に通すだけで返事はしなかった。
最後の一人が出て行くのを目で確認してパタンと扉が閉められると同時に洩れる欠伸。

「ふぁぁ」

…眠いな。

昨日は結局睡魔というものが襲ってこなかった。
鷹をくくってそのまま登校すると、今更になって睡魔が襲ってきた始末。

…まぁ人間、寝なくても死ぬわけじゃないしね。

誰もいない応接室で自分に言い聞かすように心に刻み込み、自分専用の特等席から腰を上げる。
そしてその足で眠気覚ましの珈琲を淹れた。
熱い珈琲を啜りながら時計に目をやると8時過ぎを指している。
もうそろそろ生徒達が登校してくる時間だ。

それと同時に窓の外が騒がしくなっていった。
窓へと足を進め見据えながらコーヒーを嗜好する。


「今日も平和な並盛だ」

平和な風景に浸っているとそれを邪魔するように、ノックする音を響かせる扉。

「…入っていいよ」

誰だろうかと思いつつ視線を送ると、扉が開かれると共にその人物の姿が視界へと入る。
そこには、獄寺や沢田達の担任に携わっている人物の姿があった。

「雲雀さん、おはようございます。この資料、今日中に目を通して下さい」

「分かった」

差し出された資料を手に取ると彼は腰を低くしながら、応接室のドアノブへと手を掛ける。

「──待って」

「…はい。どうか致しましたか?」

「獄寺隼人という生徒を後でここに来るように指示してほしい」

「う、うちの獄寺が何かまずいことでも?」

彼の名前を出した瞬間慌てふためくように、声を濁わせ目を丸くしている教員。
その様子はクラスでも問題児ということを物語るもの。

「気にしなくていいよ」

口角を上げて柔らかい物腰でそう言うと、肩を下げ安堵したかのように胸を撫で下ろしている。

「…そうですかでは、かしこまりました。失礼します」

安堵の色を見せた教員は軽く会釈して扉の向こうへと消えて行った。


「これで眠気も覚める、ね」

まだティーカップに余ってる珈琲を観葉植物へと注いでいく。
静かに口許に笑みを宿しながら。




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