詩歌
□Please kiss me (制作中
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触れたいと
思うのは、あなたが
足りないから
『Please kiss me』
週末
急に会いたくて立ち寄った彼の部屋
忙しい人だから
なかば会えないことを予測してインターフォンを押したのに
機械越しに聞こえた甘い声は
間違うはずがなく、彼で
一瞬の驚きの後
慌てて名乗れば
ドアが小さくキィ、と音を立てて開く
「いらっしゃい」
嬉しそうに微笑んで、手を引く彼に
触れた手のひらに、何故か背中がぞくりとふるえる
彼の自宅に訪ねるのは
何も今回が初めてというわけでもないのに