詩歌

□好きだなんていってやらない
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誰が


お前のことなんて



『好きだなんていってやらない』




「ゆき?」

どこか問うように投げかけられる声
甘さを含む低い声音は
間違えようがない

「…」

答えない私に
奴は一つため息をつくと

不意に、私の肩を抱く

「…何のつもりだ」

自分でも驚くほど随分と冷たい言い方になった
じんわりと伝わる体温
自分の躯が冷えていた事に
私よりも先に気がついたこの男の
優しさを無下にした
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