詩歌
□二人
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あぁ、まるで
この世界に
『二人』
「友雅殿」
穏やかに微笑む君が
そっと、私の頬を撫でる
彼の膝を独占しながら
ゆったりと流れる時間に、自然と瞼が重くなるに任せて
答えるでもなくその手に自分の手を重ねた
「眠そうな顔をしてらっしゃる」
くすくす
笑う声が
擽るように耳をなでていく
それもまた心地よくて
「少し、休まれますか…?」
「…ん」
何を話すでもなく
ただただ
二人、時を過ごす
それだけのことなのに
満たされていく
「…たかみち」
「なんですか?」