Mischievous of fate
□The 11th story
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ランシールを出航して数日、私達は黄金の国ジパングへたどり着いた。小さな島国で、港はなかった。
「船はここに停めて置いて平気なのぉ?」
「嵐が来ない限り平気でしょう」
全員船から降りて村を目指した。少し歩いた所に村があった。村と言うか・・・集落?
「なんか原始的だな〜」
「まだ発展途中なのね」
「ふん。我輩が来るような場所ではないがこれもオーブの為か」
カルアは偉そうに腕組みをして言った。
預言書によればジパングには紫のオーブがあるみたい。
「まだジパングの洞窟の中にあるといいね」
「まぁそこから持ち出すと呪いがかかるみたいだしぃ?変なことしたらすぐわかるんじゃないぃ?」
「・・・とりあえず宿をさが・・・」
ファイが何かを言いかけたけど、止まってある一点を見た。何かと思いみんなでファイが見つめてる先を見ると、村の子なのかな?民族衣装を着た私より小さな女の子が、木の影から私達をじっと見つめていた。
「おいアカネ、何して・・・」
女の子の後ろから、私とあまり年が変わらないと思う男の子が現れた。
「ガ、ガイジンだ!ガイジンだよタケシ!」
女の子はぴょんぴょん跳ねて男の子にそう言った。
「みんなーみんなー!ガイジンーガイジンがきたー」
女の子がそう叫ぶと、木の影からぞろぞろと小さな子供達が出てきた。みんな不思議そうに私達を見た。
「あかいーあおいー」
「きんぱつきんぱつ!」
「むらさき・・・ぴんく?」
「みどりいろー」
「ぎん!ぎんいろ!」
みんなの髪の色が珍しいみたい。この子たちはみんな髪が黒いから。
「あんたたちこの村に何しに来たんだ」
さっき、タケシと呼ばれてた男の子が私達に少し怒ったような口調で言った。
「この村自体には用はありません。この村の近くにある洞窟に用があるだけです」
レンがそう言った瞬間、村の子たちが強張った。脅えたように肩を震わせて、涙目になってる子もいた。
「どうしたの?」
私が近くにいた女の子に聞いてみた。すると、女の子は涙目で私をじっと見た。
「・・・おねえちゃん・・・そのけんでやまたのおろちたおせる?」
女の子は私が背負ってる剣を指差しながらそう言った。
「アカネ!おろちのことは村人以外に言うなとヒミコ様に言われてるだろう!」
タケシと呼ばれた男の子が女の子にそう言ってから、私をキッと睨みつけた。
「出てってくれ。ここはあんた達が来るような場所じゃない!」
「タケシ!あんたまた旅の人に!」
私達の後ろから、私と同じ年ぐらいの女の子が叫んだ。
「ヤヨイ・・・!!」