Mischievous of fate

□The tenth story
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「ねー外行こうよー」

航海七日目。順調に進んでて、今はランシールってとこに向かってるみたい。レンの故郷だってキシュが言ってた。
今日はよく晴れていて、絶好の日向ぼっこ日和。だからみんなを誘ったんだけど・・・。

「嫌よぉ。外出ると日差しは強いし潮風で髪はバリバリになるしぃ」

「俺も無理。日に焼けるとすぐ肌が赤くなるんだよ〜。敏感な肌なの。だからキシュちゃん優しくしてv」

「我輩も日の光に弱いのでな。しかも天下の賢者が子供じみた行動をすると思うのか?」

「私もお断りします。眩しいのは苦手なもので。眩しいのはキシュだけで十分です」

「な!?さ、最後の一言は余計よ!!あー・・・ごめんねローナ。私も日傘持ってないから・・・」

みんな日に焼けたくないからって理由で断ってきた。仕方ないからとりあえず操縦室にいるファイのところに行った。さっき交代したばかりだからすぐには交代出来ないだろうけど、ちょっとお話がしたかった。

「操縦って難しいの?」

私が後ろから行き成り話し掛けても、ファイは特に驚いた様子もなくて笑いながら後ろを向いた。

「そうでもない。でも潮の流れとか風の向きとか考えながらだし、力がないと出来ないし・・・」

「へぇー・・・」

私が少し、ファイの操縦を見てたら、ファイが私の頭の上に手を置いて、ポンポンってした。

「・・・暇なの?」

「うん。みんなに外に出ようって誘ったら日に焼けるのが嫌だからって断られちゃった」

「そっか」

この雰囲気・・・安心する。やっぱりドキドキするけど・・・ファイの側はあったかい。

「まだもう少しかかるけど・・・あともうちょっとでランシールに着くはずだから」

「そうなの?じゃあ今の内に日向ぼっこしてくるね」

私が入り口の方に行くと、ファイが気を付けてって言ったから、うんと言って手を振った。
外は潮風が気持よくて、お日様が暖かかった。みんな出てくればいいのに。こんな気持ちのいい日滅多にないよ。
ふぅーと深呼吸をして、その場に寝転んだ。・・・空が広い。こんなに平和だと魔王のことや自分が勇者のこととか忘れちゃう。私がぼーっとしているとまた頭にあの声がした。


―――勇者よ・・・


まただね。いつになったら姿を見せてくれるの?


―――間もなくです・・・間もなく運命の扉が開きます


運命の・・・扉?


───貴方にとってとても辛いことでしょう・・・どうかその試練を乗り越えて下さい


何が始まるの?


―――貴方の愛する人々の為・・・貴方を愛する人々の為・・・扉の向こうで待っています


扉って何?向こうって?


―――貴方に神のご加護と精霊ルビスの祝福があらんことを・・・


お願い教えて!私は何をすればいいの!?




気が付けば・・・私はいつの間にか寝てたみたい。目を開けると眩しかった。何故だか目には涙が溢れてて、瞬きをするとこぼれてきた。悲しい夢を見た訳じゃないのに・・・。
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