Mischievous of fate
□The ninth story
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「あはははははは!」
カルアが自己紹介した瞬間、ディアとルーが笑い出した。
「い、今時“我輩”って・・・」
「あんた若そうなのにぃ“我輩”って・・・」
「ちょっと!失礼でしょ!」
そう言いながらもキシュも少し笑ってた。
「ふん!貴様らには我輩の正体が分からぬから笑っていられるのだ。教えてしんぜよう・・・我輩は賢者だ!」
カルアがそう言うと、みんなしーんとなった。カルアは得意げに腕組みをし、みんなを見回した。だけどディアとルーはため息をした。
「なんだぁ結局は賢者なことを鼻にかけたやつぅ?」
「“我輩”とか言って実は大した人間じゃないってのが笑いが起こるっつーのにな〜」
「貴様ら・・・我輩を愚弄する気か・・・」
「する気って言うかもうしてるぅ」
「大体今さら賢者って必要ねぇし〜。うちには有能な魔法使い様と僧侶様がいらっしゃるし〜」
「ふん。なにが有能だ。いくら有能でも所詮はただの魔法使いと僧侶。勘違いをするな。我輩は仲間になるのではない、なってやるのだ!」
カルアは偉そうに私達を指差し、そう言った。
「ねぇこいつ殴っていい?」
「やっちゃえルー」
「思い上がりもいいとこだわ」
「仲間になるかならないかは勇者の決断で決まりますから」
「え?私?」
「・・・今までそうだったろ」
「うーん・・・なんか可哀相だからいいよ!」
「か、かわ・・・」
私がそう言うとルーとディアはまた笑い出したし、カルアはこめかみに青筋が立ってピクピクした。
「そ〜だよな〜可哀相だよな〜」
「偉いわねぇローナはぁ。仲間はずれにしちゃ泣いちゃうもんねぇ」
「貴様ら・・・いい加減にしないと・・・」
「よろしくねカルア」
カルアがちょっと怒ったように見えたから、私は笑って握手を求めた。そしたらカルアは私をじーっと見た。いつの間にか青筋がなくなってる。
「・・・ふんっ!本来ならば頭を下げるのが礼儀だが今日は貴様に免じて許してやろう。だが握手はせん。握手と言うものは同等の者達がするものだ。無論勇者だからと言って貴様が上なのではない。賢者の我輩が上だ!」
カルアの言葉は難しくてよく分からなかったけど、今度はキシュのこめかみに青筋がたったから、なんか言っちゃいけないことを言ったのかな?
「行きましょう!ローナ!」
「う?ふぇ?」
「やっぱこいつ仲間にしないほうがいいんじゃね〜?」
「・・・教育上よくない」
「貴様らー!!!」