Mischievous of fate
□The seventh story
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連れて来られた場所はなんか暗くて恐かった。周りにはパンツと覆面だけの男の人がいっぱいいた。私を連れて来た男の人の1人が、同じようにパンツに覆面をして肩にはマントをつけてる人に話しかけた。
「親分!いい獲物が外にいましたぜ」
「おぉ!久しぶりじゃねぇか!俺たちがここに来てから旅人の身包み剥がしまくってたらだんだん近寄って来なくなったもんなぁ。そこでだお前ら!ハバラタで新しいこと始めっぞ」
「どんなことですか親分!」
「それは行ってからのお楽しみだ。もう何人かはすでに始めてる!今回はヤツも手伝ってくれるそうだ!」
「マジっすか!」
何の話かわからないしどうして私がここに連れて来られたのかもわかんないのに、男の人たちは私を無視して喋り続けた。誰も私がいるなんて気づいてないのかと思ったけど、マントの男の人と目が合った。
「おい、そこの嬢ちゃんはなんだ」
「あぁ外にいた獲物の同行者ですよ。人質がいた方が楽かと思いまして」
男の人たちが私をじーっと見た。私・・・人質なの?人質って殺されるんじゃなかったっけ?ただでさえこんな暗くて恐いのに・・・それにこんないっぱい男の人がいて・・・あっダメ、涙が・・・。
「うぅ・・・」
「あっちょっ・・・」
「ふうぇ・・・」
「バッカヤロウ!!女の子泣かせてどうするんだ!!」
「あっいえっこの子が勝手に泣いただけで・・・」
「よしよーし、ごめんなぁ怖かったなぁ?お嬢ちゃん名前は?」
「ひっく・・・ローナ・・・」
「そうかそうかローナちゃんか。おじさんねぇカンダタって言うんだ」
「カン・・・ダタさん?」
「そうそう。偉いねーちゃんと“さん”付け出来てぇ」
カンダタさんは私の頭を撫でながらいい子だねぇって言った。
「ほら、アメあげるから泣かないでねぇ」
「う・・・くれるの?」
「そうだよ〜だからもう泣かないでね?」
カンダタさんは私にピンクの紙に包んであるアメをくれた。
「・・・ありがとう」
私は泣き止んだって見せるために笑ってみた。みんなポカンって顔してたけど私はアメの紙を綺麗にとるのに夢中だった。
「か、かわいいっすね」
「あぁめちゃくちゃかわいい・・・」
「天使だ・・・」
「俺にも・・・こんな娘がいたら」
アメを口に入れたらイチゴの味がポワ〜ンってした。
「にゃんでここきょんなに暗ひの?」
アメ舐めながらだとうまく喋れない。
「わたふぃ・・・暗ひのダメ・・・」
「お、お前ら!ローナちゃんのためにもっと明かりをつけろ!!」
「そうしたいのは山々なんすけど・・・」
「なんだ!!」
「暗いな中で相手の身包みを剥ぐ作戦でしょ?ここで明るくしたら・・・」
「そうか・・・うーむ・・・おぉ!閃いた!」
そう言ってカンダタさんは細い布を取り出して私の目に巻いた。
「わっえっ?」
「これなら暗いもなにもないだろう!」
自信満々にカンダタさんは言った。あっ確かにこれは真っ暗だけど恐くない。ありがとうって言おうとしたら後ろの方で爆発したような音がした。そしてその後に聞き覚えのある声が・・・
「ローナはどこー!!!!?」