QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜
□第14楽章
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「お前ら どこから 来た?」
「えーっと、こう言う場合なんて答えればいいんだろう」
勇者の故郷?それとも自分?あ、どっちも一緒か、とぶつぶつ言った後、フィナはアリアハンと答えた。
エルザバーグなる町を探していたらスーの村に着いちまった。
違うなら戻ってるとシーアとリュイは船に戻ったし、エリとレニーは村長を探しに、俺とフィナは髪の色の所為で子供達に懐かれていた。
「いてて!引っ張んな!」
「お前の髪 きれい」
「そりゃどーも。
なぁ、この大陸に出来た新しい町のこと何かしらねぇか?」
俺がそう聞くと子供らは全員首を振った。
「でも グリンラッド住んでる魔法使い 知ってる」
「魔法使いじゃなくて町」
「エド 聞けばわかる かも知れない」
男の子供がそう言って立ち上がり、俺とフィナの腕を引っ張った。
そして村の奥までぞろぞろと歩いていく。
「エド 物知り きっとわかる」
「エドって誰なの?」
「私がエドです。始めまして旅の方」
村の住人とは明らかに違う話し方に少々驚いたが、更に驚く事にその声の主は馬だった。
「う、馬が喋った!」
「驚きましたか?私は何故か産まれた時から人間の言葉が話せるのです」
「そりゃ…驚くだろ」
「エド 町 知ってるか」
「新しく 出来た町 スーの近く」
「はて…その様な話は耳にしておりませんが」
馬だからどうなのか知らねぇけど少し考えてからエドは答えた。
フィナはポカンと口を開けたままで、エドの話を聞いている。
「お詫びにいい事をお教えしましょう。
渇きの壷を手に入れた西の浅瀬でお使いなさい」
「渇きの壷?」
「壷 元々スーの物」
「でも 東の海から人たち 持って行った」
東?ここから東に進めばエジンベアのはずだ。
「きっと貴方がたの役に立ちます」
エドがもし人間なら、微笑んでそう言ってたかもしれない。