QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜
□第11楽章
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「ねぇ・・・ねぇってば!」
「う、わぁ!?」
頭で状況を整理して自分を落ち着かせようとしてた所に頭を抱える原因が自分に話し掛けてる。
しかも風呂上り。
「次、入ってくれば?お風呂」
「え、あぁ・・・」
水も滴るいい女ってか・・・?妙に色っぽいって言うか・・・って、ダメだダメだダメだ!!!!他のこと考えろ!!!
「入るならさっさと入って来てよ」
「え、あ、うん・・・」
着替えを持って部屋を出た。
ドアを閉めてすぐ、その場にしゃがりこんだ。
「あー・・・参った・・・」
つーかあいつはなんであんなに普通なんだ?男と女が一晩同じ部屋で過ごす意味がわかってんのか!?
「とりあえず・・・風呂・・・」
ふらふらと歩きながら共同風呂に向かう。あぁもうどうしたらいいんだ!!!
「何?」
「だから!俺は床で寝るからお前はベットに寝ろっての!」
風呂から帰ってきてからうまくエリの顔が見れない。多分顔は赤い。別に変な事なんか考えてねぇよ!
・・・いや撤回。好きな女と2人で同じベット・・・考えねぇ奴は男じゃない。
「・・・別にいいじゃん2人で使っても。変な気が起きるわけでもないし」
・・・もう起きてます。
なんかここまで来ると逆に誘ってんじゃねぇかって思ってくる。
「明日体が痛いとか首が痛いとかって言って私のせいにされたら堪んないのよ」
やっぱり・・・自惚れか。
「・・・っわかったよ!」
もう諦めた。観念して布団に潜る。心臓は・・・ヤバい程早撃ちしてる。
エリとは反対の方に体を向けてぎゅっと目を瞑ると、電気を消す音がした。後ろでもぞもぞ動く気配がして、エリも布団に入ったことがわかった。