QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜
□第10楽章
1ページ/6ページ
・・・状況を確認したいと思う。
俺たちはネクロゴンドに居る魔王を倒したい。ネクロゴンドに行くには世界に散らばってるオーブをレイアムランドの祭壇に捧げ、不死鳥ラーミアを甦らせなきゃならない。
で、俺たちは人数が多いのを利用して、4つに分けて、オーブを探すことになった。世界地図を上下左右に4等分にして、サマンオサ、アリアハン、ジパング地方をシーアとリュイが、新大陸、グリンラッド地方をエルザ、カイ、テラの3人が受け持って、レニーとフィナはポルトガ、ロマリア、エジンベア地方を、そして・・・
「とりあえずダーマから順に回って行くから」
俺とエリがダーマ、バハラタ、アッサラーム、イシス、ネクロゴンド、ランシール地方を担当した。
2人でこんなにたくさん受け持った。
“2人で”
この言葉はヤバイ。今まで2人っきりって状況は・・・あったけど、邪魔を気にしなくてもいい状況ってのは・・・初めてだ。
『今がチャンスだよヴェス君!エリに好きっていいなよ!』
そ、そうだよな。こんな大チャンスねぇよな・・・。
『そぉよ!エリにあんなことやこんなこと出来んのは今だけよぉv』
あんなことやこんなこと・・・
『ダメだよ!そんなことしたらエリに嫌われちゃうよ!』
うあぁぁぁ・・・俺の中の天使と悪魔が・・・って言うかフィナとエルザがぁぁぁぁ!!
『まぁ銀髪くんが告白してもOKが出る確立は極めて低いからね!あんなことやこんなことを出来るのは一生ないかもね!』
た、確かに・・・
『わ、私はシーアにならあんなことやこんなことされてもいいぞっ・・・!』
『あぁリュイ!君の愛は僕の心に彗星の如く到来し、僕のハートにクレーターを作るよ!』
どう言う意味だそれ。
『それよりシーア、あんなことやこんなこととはなんだ?』
もういい、お前らは黙ってろ。
『そもそもヴェスにあんなことやこんなことする勇気があるか〜?』
『変なとこ気弱ですもんね』
・・・この兄妹は。
『俺はそんなことよりも・・・』
レ、レニー!そうだ!1番まともなレニーなら正しい答えを出してくれるはず!!
『そもそもヴェス、するなって言ったところで我慢できるの?』
「やべぇ・・・」
「何よ」
「レニーがエルザ側に回った」
「は?」
「ちょっと待て、それじゃフィナ側にはカイとテラしかいねぇじゃねぇか・・・」
「・・・あんたなに考えてるの?」
「・・・っエリ!!」
頭を抱えてしゃがんでいた俺は、立つと同時にエリの肩を掴んだ。
「な、なに?」
驚いた顔をしたエリはびっくりした目で俺を見て・・・その・・・その顔がこれがまた・・・か、かわいい。
「い、いや・・・なんでもねぇよ・・・」
エリの肩から手を放してすぐに後ろを向いた。多分・・・今俺は情けない顔してる・・・。