QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜
□第2楽章
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「うそ!?」
「あたり前じゃない。なんであんたを仲間から外すのに賠償金なんて払わなきゃいけないのよ」
「じゃあなんでそんなこと言ったんだよ!」
「そう言えばあきらめてくれると思ったから」
「な、なんで諦めてもらおうしたんだよ・・・!」
ちょっと・・・期待していいか?これ・・・
「言ったでしょ?子供のやること全部にいちゃもんつける親は嫌いなの」
「あっ・・・そ・・・」
こいつに期待した俺がバカだった。
レーべを出た俺たちは旅の扉があるいざないの洞窟に向かった。エリが魔法おじじに渡された魔法の玉ってのを使って封鎖を解いた。・・・爆発すんならするって言えよなジジイ。
「ここ行き止まりだね」
「やっぱり右だったのかな?」
「誰よ左って言ったのは」
「・・・俺だよ。悪いかよ」
「悪い」
「お前らがなかなか決めねぇから━━━伏せろ!!」
後ろから黒いマントを被った魔物がこちらに向かって呪文を放ってきた。
「このやろ・・・!!」
「どいて」
「は!?」
「ギラ!」
エリが魔法を放つと魔物たちが悲鳴をあげ、フゥッと消えた。今気づいた。かなりの数の魔物が周りにいた。
「う"ぅ"・・・」
エリの呪文が効かなかったわけではないが、マントの魔物が立ち上がってきた。
「こいつしぶてぇなぁ」
「だからどいてってば!」
エリは剣を振り上げて魔物を切った。魔物は消えた。
「エリすごーい!」
「また腕を上げたんじゃないか?」
フィナとレニーは嬉しそうに言った。こいつこんなに強かったのか・・・
「なぁレニー・・・エリとお前どっちが強い?」
「う〜ん・・・互角かなぁ・・・まぁお互い本気でやったことないけど」
「そっか・・・」
「やっぱり好きな子が自分より強いのってショック?」
「まぁな・・・って!!」
「あれ?知らないとでも思った?好きだからエリについてきたんでしょ?」
「あぁ・・・レニーならいいや・・・」
「フィナはダメなの?」
「ダメってわけじゃないけど・・・」
「まぁエリ相手だと苦労すると思うけど頑張って」
「もう7年も頑張ってるよ・・・」
気づいて欲しいわけじゃねぇけど。