QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜
□第1楽章
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魔法おじじなら村の外れに住んでるけど。でもあの家カギかかってて中に入れないぜ?」
「開けなさいよ。盗賊なんだから」
「やったけど開かないんだよあの家。なんか特殊なカギが必要らしくって」
「役に立たない盗賊ね。フィナ、近寄っちゃダメよ」
「何でだよ」
エリはなんかフィナを俺に近づけようとしない。別に困りはしないからいいけど。
「とにかくレーべに行こう。ここで言い合ってても・・・」
レニーは話をきって後ろを見た。俺も見た。茂みからガサガサ音がする。
「俺が見てくるからここで待ってなさい」
そう言ってレニーは音がした方へ行った。
俺は鞭を構えた。なにかあったときエリを守るのは俺だ。そのために盗賊になったんだ。
「きゃぁぁぁ!!」
俺は後ろを振り向いた。でっかいカラスの魔物がフィナに攻撃していた。
「フィナ!!!」
エリが剣を構えた。すると魔物はエリの方へ向かってきた。エリに攻撃なんてさせてたまるかっ。
俺は鞭を魔物の首に巻いて、地面に叩き落とした。魔物はフゥッと消えた。俺はエリの方を見た。
「ホイミ」
だけどエリはフィナの回復に勤しんでた。・・・見てろよ!!
「フィナ、大丈夫か?」
レニーが息を切らしながら言った。後ろを見るとうさぎの魔物がフゥッと消えた。
「うん。エリがホイミしてくれたから・・・あっレニー怪我してる」
フィナはレニーに駆け寄ってホイミをした。
「エリ、あんまり魔法使うんじゃないぞ。回復はフィナに任せておきなさい」
「ダメよ!フィナは私が守るんだから!回復も私がやるわ!」
「別にお前がやんなくてもフィナは自分で自分を回復すんだろ」
エリは俺をにらんだ。
「気安くフィナを名前で呼ばないで!」
「じゃあなんて呼べばいいんだよ・・・」
女ってわからん・・・