QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜

□第1楽章
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ルイーダにエリの同行者として登録したなんてウソだ。ちゃんとエリのサインが必要だからだ。
だから俺はルイーダと交換条件を交わした。
ルイーダがエリに嘘ついて俺の登録書にサインさせる代わりに、俺は半年間も酒場の用心棒させられた。もちろん給料なんて無し。

「この書類は?」

「私はアリアハン出身ですって示すものよ。これは仲間の詳細がわかるもの、そしてこれが・・・」

ルイーダは複雑な顔をした。

「・・・この酒場に冒険者登録してありますっていう証明書よ」

ルイーダは俺をにらんだ。まぁ・・・しかたないさ。無理に頼み込んだし。ルイーダはエリのこと可愛がってるし。

「はい書けた!じゃあ行ってくるねルイーダさん!」

「気をつけてねエリ・・・」

ルイーダはエリの長めのショートカットの頭をやさしくなでた。

ルイーダの店を出たエリはそのまま町の外へ出ようとした。

「おい、家寄ってかないのか?」

エリは黙って歩き続けた。

「もうお別れの挨拶はしたんだって」

レニーが言った。

「もう振り返らないってさ。強がってるだけだけどね」

俺はエリの背中を見た。ちっちぇーのにずいぶんなもん背負ってるよなぁ・・・

「さぁ俺たちも行こう。置いてかれるぞ」





「で?何処行くの?」

「とりあえずレーべだね」

「げ!このままアリアハン大陸出るんじゃないのかよ!?」

まずい・・・俺は家族に内緒で家出てきたんだよ!

「この大陸と他の大陸を結ぶ旅の扉は封鎖されてんのよ。あんた盗賊のくせにしらないの?」

エリがいやみったらしく言いやがった。このやろ俺が勝手に仲間になったことまだ根に持ってやがる・・・

「そんくらい知ってるよ!でも行けばどうにかなんだろ!」

「レーべに魔法の玉ってのを作ってる人がいるらしいけどヴェスは知ってるかい?」

レニーが話を変えた。それって魔法おじじのことか?
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