QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜
□第1楽章
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「バカじゃないの?」
彼女の第一声だった。
エリが旅立つ前に王様に謁見しているって聞いたからお城の前でエリを待ってた。もちろん仲間に入れてもらうためだ。俺から行かないと置いていかれそうだからな。そんでお城の周りうろちょろしてたらなんと兵士に捕まった。
「怪しいやつめ!!こっちにこい!!」
「わっ!なんだよ!俺は勇者の仲間だっての!」
とっさにこう言ったもんだからエリが迎えにきた。レニーもフィナも一緒だった。ったく・・・牢屋なんかに入れやがって・・・
「ホントにバカ!そんな格好でお城の周り歩いてたら怪しまれるに決まってるじゃない!」
「・・・うるせー」
俺はいわいる盗賊の格好をしていた。黒ずくめにポケットがたくさんあるベスト、白い短パン、それに銀髪なもんだから怪しいし目立つわな・・・
「だいたいなんで仲間なんてウソついたのよ」
「ウソじゃねぇだろ」
「私、OKした覚えないけど」
「したじゃねぇかあんとき!!」
「わかったとしか言ってないわ」
エリは冷たく言った。
「・・・俺もうルイーダに登録しちまったんだけど」
「何に?」
「勇者の同行者としてだよ!」
ウソだけど。
「!! あんたなにやってんの!?」
「ルイーダはOKしたんだよ。旅に盗賊がいた方がなにかと便利だからってな」
「私はしてないじゃない!!あんたルイーダさんのこと脅したりしたんじゃないの!?」
「あのルイーダが脅しなんてきくと思うか?」
「〜っっ・・・」
俺とエリはにらみ合った。・・・なんてゆーか・・・そういう怒った顔もかわいいよな・・・
「とりあえずここを出よう」
レニーが言った。