QUARTET〜不協和音な僕らの旅〜

□第12楽章
9ページ/9ページ

「お、まえ・・・んで、」

「ね?やっぱりヴェスくんたちだったでしょ?」

「すごいなフィナの目は。眼球くり貫いて私にくれないか」

「リュイ、言ってる事怖い」


後ろからフィナ、リュイ、レニーが。


「ロマリアでシーア達と出くわせてね。サマンオサ大陸を陸沿いに航海してたらフィナがエリたちがいるって。
・・・なんかあった?」

「おや銀髪くん!泣いているのかい?」


おぉ泣いているともさ。一度ならず二度までも。


「エ、エリ!?」


フィナの声に俯いていた顔を上げた。すると・・・


エリが・・・


泣いてる。


涙を流している。


「エリ・・・」


思わず駆け寄ってエリを抱きしめた。


「ヴェ、ヴェ!?」

「名前・・・言えてねぇよ」


なんだろうこの気持ちは。すごく、幸せなんだ。


「は、早く放してよ!」

「・・・」

「放せって、言ってんのよ!」

「ぐへっ!」


エリはグーで俺の脇腹を殴りやがった。痛ぇ。


「別にあんたが泣けって言ったから泣いたわけじゃないから!と言うか泣いてないし!
でも泣かせたのはあんただから!」

「言ってる事意味わかんねぇよ!」

「ヴェスくん・・・エリの事泣かせたの?」

「ご、誤解だ!俺は別に・・・」

「ザ───」

「だぁー!!殺す気かぁー!!」


きっと俺に神様なんていねぇ!居ても残酷な奴らばっかしだ!




戻る
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ