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□2011年 バレンタイン
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「近藤さん。これ、義理チョコですから!」
そう言って強引に押しつけるとお妙は踵を返し去って行った。
近藤の手に残されたのはラッピングもされていない普通の板チョコ。
あまりの色気のなさにガッカリしつつ、それでも貰えた事を喜ぶべきかと思い直した近藤は早速ご相伴に預かろうと包み紙をビリビリと破きチョコに噛みくと割ろうとした………が、チョコはパキリと割れることなく、ぐにゃりと曲がった。
「……なんで?」
チョコ売り場に行ってみたものの綺麗にラッピングされたチョコは恥ずかしくてどうしても買えなかったとか、渡すタイミングか掴めなくて握りしめてるうちにチョコが溶けかかっただとか………それは、近藤の知らない話。
おわり
2011.2.14