□花火
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(あ、はじまったのね)


賑やかな店内に居ても微かに聞こえてくる花火を打ち上げる音に耳をすませる。花火大会なんて別段見に行きたいわけではないけれど、『見られない』と思うと悔しい。

こんな仕事をしているのだから当たり前なのだけれど自分が世間一般から取り残されているような気がしてくる。


(たかが花火大会で大袈裟だわ)


そう自分に言い聞かせ目の前のグラスを煽った。




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