□ホワイトデー?
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「ねぇ銀さん。今日何の日か知ってますか?」


【ホワイトデー?】


そうあれは一ヶ月前の今日。世間はバレンタインだと浮かれてた、生まれてこの方家族以外からチョコなんて貰ったことないらしい新八も例に漏れず「チョコが欲しい」と珍しく駄々をこねてきた。

たった今パチンコの景品でとった小さいチョコがあったのを思い出して、それを渡そうと紙袋の中身を物色して取り出して見せた。

「そんなチョコじゃ愛が感じられません!銀さんの僕に対する愛情はそんなもんなんですか?」

なんでか分かんないけど顔を真っ赤にして目には涙を浮かべながら唾を飛ばさんばかりの勢いでまくし立てる新八が可愛い。


「はいはい。愛を込めた銀さんのチョコやるからさぁ。いい加減黙れ。俺の顔に唾飛ぶでしょーが。」

持っていたチョコを口の中に放り込むと、まだ赤い顔のまま見上げる新八の唇にキスをして舌で押し込んだ。
チョコが溶けて無くなっても続く甘いキスの後、嬉しそうに笑う新八に「ホワイトデーは三倍返しだから。」と言ったのも覚えてる。





「ねぇ聞いてるんですか?」

「あぁ、ホワイトデーだろ?銀さんにお返しくれるんだよね?」


(三倍返しとは言ったけど新八じゃあ期待薄だなぁ……でも甘味食べ放題とか)

なんて淡い期待に心弾ませていたら、目の前に紙束が差し出された。


「なにこれ?」


「お手伝い券です。いつもの三倍増しでご奉仕させていただきます。」


恥ずかしそうにしている新八から紙束を受け取り「お返しに『お手伝い券』とかあり得なくね?お前他の日と勘違いしてんじゃねぇの?どこの小学生?」文句を言いながら目を落とした。


「……!?これって!」


『キスしてあげる券』から始まるお手伝い券はピンクな内容満載で最後の一枚は『気持ちよくイカセてあげる券』。


「ええ、いつも銀さんが僕にしてくれるように、ご奉仕させていただきますからね!……初めてだし、三倍返しはムリかもですけど。頑張ります!」

少し恥ずかしそうに俯く姿は可愛いし、そんな気持ちよくさせてるとか男冥利に尽きる……なんて少し顔が緩む。けど冗談じゃない!このまま流されてたまるか!!

「いや、俺ヤられるよりヤる方がいいんだけ……。」

「いいえ!いつもしてもらってばっかりじゃあ男が廃りますし。僕だって銀さんに気持ちよくなってもらいたいんです!」


目をキラキラさせて訴える新八は本気だからたちが悪い。マジで俺貞操の危機じゃね?


……どうする。俺。





おわり



2009.3.15

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