二日目
□二日目
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「海だぁ!」
香る潮、
眩しい海、
照り付ける太陽、
火傷しそうに熱い砂。
旅館から少し歩いたところに今回の目玉でもある海がある。私達は旅館で朝食を済ました後、鍵をフロントに預けて海へと来ていた。日焼けは免れないだろうじりじりとした太陽に真っ青な空。絶好の海水浴日和だ。
「…人多いな……。」
私が海に興奮している横でユウがぽつりと呟いた。ユウの視線の先は海、というよりもこの絶好の海日和を楽しみに来た人、人、人といった感じで、あまり人混みが好きじゃないユウに私は申し訳なくいった。
「あ、あのユウ……。嫌だったら、別に…」
私が海に行きたいと言ったから今にあたる。正直、海で遊びたいは遊びたいが、人混みが苦手なユウに無理をさせたくはない。だいたいせっかくの二人っきりの旅行、ユウが楽しければ意味がない。ユウが嫌だったら別に海に、と繋げた言葉はぱちんと弾かれた。
「痛っ」
デコピン、された。
な、なにするんだっ、と見上げればユウの苦笑した顔。
「海で遊びたいんだろ?」
デコピンしたユウの手が私の頭をぐりぐり撫でる(わっ、)。私はその手を払って乱れた髪を手櫛で整えれば、払ったユウの手が今度は首筋にあたって、
「それに、」
指先が、
「引率の先生が必要、だろ?」
「…っな゙!?」
つ、とそこを撫でた。(相変わらずやってることと言ってることが違うんですけど!)
旅行二日目
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