Love song

□Waltz
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きっかけはもちろんあの歌からだった。

あれは俺しか知らない、大切な人に聞いてほしい、そして一緒に歌ってほしい歌だった。
それをハテナが知っていた。Mもそれを知っていた。
これらにあの手紙の意味を付け加えれば、だいたいの察しはつく。



いくつも存在する「とある少年」の世界で、俺やMのような存在だった「少し変わった能力を持っているだけのただの少年」がこの場所にきて、そして自身が味わった悲劇を繰り返さないために「神」として数多の世界に生きていた俺達にあの力を拡散した。
そしてその結果は、…これはもう語らなくていいだろう。

最後まで見届けた「神」は嘆き悲しみ、ただの人間としてやり直すためにこの場所から手を引いた。
あの手紙は万が一ここへ「似たような境遇の自分」が来た時にそなえたものだろう。また自分が犯したのと同じ過ちを繰り返さないために残した告白文であり歴史でもあった。

…その意味をなくしたのはMであり俺でもあり、だからこそ。
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