Love song

□Ballade
1ページ/3ページ

世界は大きいと思っていた。自分の視界に入るもの以上の空と大地と海と、それからこの場所以外のたくさんの世界と。
でも本当はとても小さくて誰かの手に乗るくらいに狭くて、頑丈なはずなのに砂糖菓子より脆くて。
強固なはずなのに不安定。決まりきってることは有無の繰り返し、それを司るための永遠の存在。


ねえ、誰がこんなものを望んだの?

どうしてこんなふうにしちゃったの?

何も考えない無機物の塊だけなら悲劇は起きなかった。
ゆるやかで平和で、憎しみも悲しみもない。
ただ時間が流れるだけ。何もなくていい。



いらない、いらない、なにも。
期待しないから、期待されなくていい。
望まないから、望まないで。
もう、そっとしておいて。諦めて。
最初からいなかったことにして。


ね、楽になったでしょ?満足でしょ?
ねえ、もう忘れた?忘れてくれた?
思い出さなくてすむようになった?いやなことと一緒にまとめて綺麗に消去してくれた?



いらないモノにしてくれた?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ