Love song

□Variation
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どろどろに混ざる世界を足元に、ぼんやりとたたずんでいた。

なぜだかあまり気分がよくない。
体調なんて無縁のはずなのに、目がくらむような感覚がする。

「M!!!」

黒が今まで見たこともないような顔で足早にやってきた。
ずいぶん慌てているような、切羽つまったような、悲しそうな、そんな複雑な顔で俺を見据える。

「どうしたんだよ?なにかあったのか」

黒は俺と違って管轄するものを何も持たない自由な身だ。
なのにいつも忙しそうなのは何かを調べているからだということだけは漠然と知っていた。

「…俺達のいる意味が、やっと分かった」
「……意味?」
「そうだ。俺はずっと、俺がこんな存在になってしまったことに納得がいかなかったんだ。昔も、今も。…その原因を作った奴がいるなら、殺してしまおうと思ってた」
「………」
「それで、やっとその手がかりを見つけた。…もしかしたら、俺達自身が、今の俺達を生んでるかもしれないんだ」
「それで?」

眉を寄せた黒が苛立ちをはっきりと顔に出して叫ぶように言い放つ。

「それで、だと…!!いい加減に分かれよ!!この仮説が本当なら、ずっと前から何も変わってないんだ!同じことをやり続けて、何も変わらないんだよ!!!!何も変わらない…、だから、…っ」
「何かやっていれば変わるかもしれないじゃないか」
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