Love song

□Canon
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ある月曜の朝だった。

僕は寝坊してしまって、ベッドから慌てて飛び出した。
目覚まし時計をしかけたはずなのに鳴らなかったみたい。
また遅刻しちゃう、先生に怒られるのはいやだなあ。
なんで遅刻したのって聞かれたらなんて答えようかな。

ちょっと夜更かししすぎたんだ、誰だって月曜日はとっても嫌いなはず。
日曜日が終わろうとしてたって、月曜日が始まったばかりの真夜中でも、日曜の楽しさにしがみついていたいはずなんだ。
でもまさかそんなこと先生には言えない。

急いで着替えて部屋のドアを開けて、台所に駆けこむ。
お母さんが怒りながら何回も起こしたのよって言ってくれる光景が、

そこにはなかった。

「お母さん…?」

出かけたのかな?

不思議に思いながら(じっくり聞くゆとりはないけど)いつもの癖でラジオのスイッチを入れた。


ざあああああああああああああああああ。ざあああああああああああああああああああああああああああああ。

「…え?」

周波数をどこにあわせても、雑音だけしか聞こえてこない。

ざああああああああああああああ、の音を後ろに慌てて家中を駆け回る。
お父さんもお母さんもいない。何の音もしない。
なんで。なんで。なんで、どうして、なんで…!?
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