real
□one
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だが出会いを新たにすればするほど、彼はより「神」として見られ、認識されていく。
参加者からすれば「神」はただ「神」にすぎず、パーティーに参加したからといって彼らの間にある垣根は完全には無くなることはなかった。
…思えば彼は昔から孤独だったのかもしれない。
私と巡り会って、それからしばらくしてユーリと出会って。
…とても、幸せそうで。
だからこそパーティーの開始は「その他大勢」との関係が、私達のような存在になることを願った結果でもあった。
――それでも「彼」という存在はただ一人。
彼以外の多くの存在が、彼を「彼」ではなく「神」として意識しだした頃から、彼は少しふさぎこむことが増えていった。
ユーリにそんな姿を見せることは決してなかったが、一人でいる時は本当に目もあてられないほどだった。
そんなある日。
『主、お加減はいかがですか?』
朝から何かいいしれぬ雰囲気の家の中、彼は自室に閉じこもったまま。
部屋の外から話しかけてはみるが、返答はない。
『………。…?』
ふと、何か聞こえた気がして耳をそばたてた。