眠り姫は籠の中
□NothinG
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晴れ渡った空の下。
茶をたしなむには絶好の日和だと招かれた席で、話題は自然とあの招待状のことに転じた。
「今回で最後だなんて、寂しいわね」
「そうだな。だがしかし、奴らしくない」
「大勢を招かないから?」
「それもある。が……」
参加者が選ばれていると明記されたくだりに目を通す。これは招かれた側からすれば、心理的に他者へ軽々しく口外できない歯止めがかかってしまう。
私達のように隠し事のない付き合いをしていれば話は別だろうが。
なにか意図的なものを感じるのは考えすぎなのだろうか?それに……
「冒頭がひっかかってな。特に書く必要もない気がするが、これを何故」
「……本当は気にしている、と言いたいんじゃないかしら」
首を軽く傾けて彼女は笑った。
「ジズだってそうよ。茶会の時は女同士の話を聞かない為、なんて言って離れているけど。私は彼が私から離れないと決めたのならそれを守るべきと言ったの。
なのに彼はそうしないのよ。…理解不能だわ」