眠り姫は籠の中

□TeaR
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「一番先に、なんて悪趣味だな」
「ユーリと最も関係深い奴から消しただけだ、趣味がどうとか関係ねぇよ」
「…ユーリを忘れる為か。無理だろそんなの」
「黙れッ!お前に何が分かる!」
「分かるさ。俺はずっと見てきたんだからな」
「…じゃあ口を挟むな、傍観だけに専念しろよ」
「お前もな。いちいち感傷に浸るな、被害者気取りなんて流行らねぇぞ」
「……っ!」
「おぉ怖、そんなに睨むなよ。とにかくさっさと片付けろ、その方が気楽だぜ?
ユーリにこだわって順番を決める余裕なんてない筈だ」
「うるさいな。俺一人でやってんだ、好きにさせろ」
「あぁ好きにさせるさ。…そうだ、影はどうするよ」
「…………、そうだな。あの最中へでも放り込むさ。あいつには独り立ちしてもらわなきゃ」
「影は戦うか、止めるか…どっちだろう」
「どっちでもないね」
「弱虫で泣き虫で、お前がいなきゃ何にもできなかったあいつだぜ?昔の話…いや、ある意味今もそうだが」
「だから、だよ」
「だから?」



「だからあいつは俺を殺そうとするだろう」
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