眠り姫は籠の中
□LiE
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ふざけるな、ふざけるなふざけるな!!
誰がユーリを殺していいと言った。誰が許した。
誰が誰が誰がっ!!
命を奪っていいのは神だけだなんて戯言だ!
何にだって奪われちゃいけないモノなんだ、絶対に守らなきゃいけなかったのに、すごく大切な友達だったのに、なのに…っ!
「役立たずなぼくを許して、…ごめんね、ユーリ。あぁ、ぼくは…」
てんでバラバラになったパーティーの参加者みたいに、ぼくの中の気持ちも考えもまとまらない。混乱したまま、なにか言わなきゃ狂いそうで(それとももう、狂ってるのかな?)とにかく呟く。
そんなぼくに寄り添ってくれるアッシュはうなだれたまま。
…ぼくが変な声をあげちゃったせいで、ああ、今思うならあの声はまるで血塗れだ。緋色の声だった。だってユーリがあんなに醜く膨れて。ねぇ?あんなの見せつけられて、どうにかならない奴なんていない。
――とにかく、あの叫びの瞬間から皆は散り散りになったまま。きっと元に戻ることはない。
あの時、たとえば皆が逃げなければ。ぼくが叫ばなければ。MZDが、ユーリを殺さなければ。なにかがMZDを狂わせなければ、、、あぁあ、あぁ、あ。