眠り姫は籠の中

□AlL
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唐突に告げられた神の戯言の直後、あいつらを守らなければと見やった途端、思わず固まった。

ハヤトの瞳の中に、
揺らぎなく、芯を持つ、ただひたすらに冷たい炎が宿っていた。

「最高の企画だな」
「……っ、な」
「俺には得意分野だけど、素人が混ざるとやりにくい。だから、」

――直接背筋を撫でられたような寒気と共に浴びせられたとんでもない宣言。

「俺はあんたのところにいる若いのから殺す」

そう告げてきたのは得体の知れない掃除屋。
奴がこの宴の前にハヤトへ何か囁いていたのを知っていた俺は一気に嫌な予感をつのらせた。

いったい何をハヤトに吹きこんだのか。
ハヤトは繊細すぎるが故に、感化されやすい。自身の考えが白や黒に染まっても、それすら自身で決めたと思いこむほどに。




掃除屋と、それから組に所属する二人と、この狂った宴の参加者達がどうなるか。

駆け出した掃除屋を追って、途中で何度も死体とおぼしき肉や骨や物体を乗り越えて、
脳内で幾度も繰り返される、二人の最悪な事態を何度も否定して。




やっと、たどり着いた。
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