眠り姫は籠の中

□DesirE
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「なんでこうなったんだろう」
「なんでって。今更そんな事を言うのかよ」
「…だって。ひどいじゃないか。あんまりだよ。俺はユーリとずっと一緒にいたくて、でもそれは神だから許されなくて、けどユーリはっ」
「永久の命を願った。別にいいじゃん、叶えればよかったんじゃねーの?」
「叶えられるか!!いいか、俺は一度だってユーリからユーリ自身を幸福にする、あるいは利益をもたらす類の願いは捧げられなかった!
それが、私利私欲に利用されないことがどんなに嬉しくて誇りに思っていたか、…どんなに幸せだったか、お前には分からないだろう!」
「あぁそうだな、分かんねぇよ。分かるのはてめぇがただの馬鹿ってことだけだ」
「…そうさ、馬鹿だよ。だから全部消すんだ」
「ホント、馬鹿…いいや、かわいそうな奴だな。俺だけはてめぇを哀れんでやるよ」
「あぁそうかよ、お優しいことで。…くそっ、一秒でも早く、皆きれいに消えてしまえばいいのに!」
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