LonG
□ともだち
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「…おとーさん」
「んー?どーした?」
MZDが書類にサインする手を休める事なく問い返した。
話しかけたリバースはそれを気にしながら、遠慮がちに告げる。
「あのね…クローズがお話しなくなっちゃったの……」
「………」
MZDの手が完全に止まって、リバースを正面から見据えた。
「ご…ごめんなさい…」
仕事の邪魔をしたと思ったのか、リバースが小さくなる。
「謝らなくていいよ。
それよりリバース、それはいつからだ?」
「朝から…。僕、風邪で昨日一日寝てたでしょ?
でね、朝起きて『おはよう』って言ったのに頷くだけなの…お話しないの」
「…そうか」
MZDは少し黙った後、リバースの頭に手を置いた。
「大丈夫、クローズの事は俺が何とかしてやるよ」
「…うん……」
まだ少し不安気なリバースの頭を軽く撫でて、MZDは立ち上がった。
「リバース、悪いがここにいる動物達と留守番しててくれ。
すぐに帰るから」
「うん…」
リバースの不安に満ち溢れた心の泣き声を聞きながら、MZDは踵を返して唇を噛みしめた。