LonG
□予知
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何故君はそれを隠していたのか。
もしもそれに気づいていれば。
何故君は明かさなかったのか。
もしも分かる事が出来ていたなら。
何故君を守れなかったのだろうか。
いつでも思い、愛し、慕っていたのに。
君の願いは何だったのか。
それだけが知りたくて、そして……。
白い床の上。
ほとんど同化しているような肌色に、
即座に足が動いた。
何か言いたいのに何も言えなくて、
ただ壊れた機械のように彼女の名を呼び続けた。
やがて、ゆるゆると彼女の瞼が持ち上がり、
思わず息を飲んだ。