LonG
□知っている事
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「神様、ようやく来てくれたのね」
「その呼び方は苦手なんだがな…さぁ、行けよ。お前の安息の地へ」
「ええ…」
女の姿が揺らいで、光の花へと変わる。
それは輝きながらラストの手の中へ引き寄せられた。
「…人間は本当に理解しがたい」
『同感。…退屈しのぎには丁度いいけどな』
自分の頭の上に肘をついてニヤリと笑う影を目線だけで見て、ラストはきびすを返した。
『ラスト、今日はこれで終わりだっけ?』
「あぁ。つーかフリィ」
フリィと呼ばれた影が先の台詞を察知してか、嫌そうな顔をした。
「スケジュールの把握はお前の仕事だ!」
『んなもん、立てても守らねぇバカがいるから俺はやらねぇんだよボケ!』
「バカだのボケだのよく言えたもんだな…?」
『ハン、やるってんなら受けてたつよ。その後俺がいなくても自分一人で仕事しろよな』
ラストがぐっ、と詰まって忌々しそうに舌打ちした。
フリィが楽しそうに笑って、ラストを包み込む。
次の瞬間、二人の姿はかき消えた。