BlacK-2
□御神渡
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目が覚めて分かったのは、自分のいる場所が真っ白だということだった。
どこだろう、と考えると同時にМZDの顔が視界に飛び込んでくる。
「六!大丈夫?!」
「……?」
なんでこいつがここにいるんだろう。
その思いは顔に出てしまったらしく、相手は堰を切ったように話しだした。
道の端にいた俺に車が突っ込んできたこと。
偶然にもその真向いの店にいたМZDが駆けつけてくれたこと。
ここは病院で、俺の目が覚めるまでずっと警察や医者につかまっていたがやっと様子を見にこれたこと。
「…すまない」
「いいよ、気にしなくて」
МZDが軽く肩をすくめる。
よく声がとおるな、と思った瞬間にこの部屋が個室だと気が付いた。
まさかこいつが手続をしたのだろうか。なんだか落ち着かない。
それを見計らったように小さなノックが響いて、なんだかホッとした。
「はいはいー」
俺が止める間もなく勝手に応対に出たМZDの前へ長身の男が立った。