CuT-2
□枯渇なき愛
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累々と積み重ねた死体の山の上から、見渡す限り誰もいない清々しさを満喫する。
ああいや、神だけはいるか。
山から飛び降りてそいつが膝をついたままの地へと足をつけた。
「涙はもう止まったか?」
「……なんで、こんなこと」
声はまだ出るらしいそいつの胸倉をつかんで顔を引き寄せる。
「こいつらが憎かったからだ」
「そんな、だって…!お前に直接何かしたわけじゃ、」
「俺だって被害者だ。お前の苦悩も知らずに笑って過ごして、ただ頼るだけに明け暮れて!見てるだけでムカつくんだよ」
突き放すように神を解放して山を仰ぐ。ほとんどの奴が神――Мの開いたパーティーで見た連中だ。
「黒…俺は、もう苦しくなんかないって、そう言ったよな?世界も安定したし、お前もいるって…なのに……」
「関係ねぇよ、そんなこと」
そう。いくら争いが、嘘や悲しみがなくとも。そんなことは関係ない。
こいつらはいつかまた必ず、間違いなくМを再び苦しめる。そうに決まっている!!
「傷は化膿する前に治さなきゃな。そう思うだろ?」
答えは返ってこない。俺は構わず、もう命の消えた星を殲滅させて目を細めた。
これで当分、Мは生み出すことすら止めるだろう。